・ スポーツだけでなく欧米の勝負の見方、特徴をとらえて日本との
違いを示しているコラムがありました。なるほどと思うところも
ありましたので、紹介します。
・ 戦前の日本において、人気のスポーツと云うと相撲と野球です。
相撲をスポーツと云うには違和感がある人もいます。確かに、神道
との関係から神事とも云えるのです。
・ 野球はアメリカの国技の1つとも云えます。しかし、戦前の日本は
すくなくとも人気のスポーツにアメリカの影響を受けていたのでし
ょう。
1.野球の精神
・ 野球は「3」を基数とする競技です。1チーム9人、9回制、ア
ウト3つで攻守交代、ストライク3つでアウト(かってボール9
つで塁に進めた)。
・ 「3」はキリスト教の聖数だそうです。この精神を基本にしてい
ると云えるが、野球は多くの得点をあげて勝利することを目的と
しています。
・ 資本主義では多くの利潤をあげることを活動の原則、目的として
います。アメリカの精神そのものです。
2.他のスポーツからみえるもの
・ サッカー、ラグビー、アイスホッケーなどには共通の特徴をみる
ことができます。相手の陣地のゴールにボールなどを入れると得
点になるというルールです。
・ 中世ヨーロッパでは、敵の本拠地、城を破壊することが勝利への
道であったことに通じます。日本の場合、本陣を破壊することが
終局ではなく、「王様」を殺すことにより勝利を得ることが多い
と思われます。
3.将棋
・ このような日本の勝負の典型が、「将棋」にあると云っています。
戦闘能力では「王将」より「飛車角」がすぐれており、「歩」は
敵陣に入ると「金」になります。チェスと違って相手から取った
駒は、自分の駒としていつでも使えます。
・ 戦国時代の歴史をみても、かって敵であった兵が一転して有力な
味方になり、大活躍した話は数多くあります。
・ 将棋はこのような武士の生き様を象徴する競技であると云ってい
ます。ヨーロッパの競技とは勝負の原則において、大分異なるの
でしょう。