平成21・3月の一言④~営業の仕事はコンサル~

・現下のこれほどまでの経営環境悪化に、企業は戸惑いを隠せないでいることは間違いのないところです。
経営数値の落ち込みがその実感を伴うまでにきており、何とかしなければならない状況にあります。
企業のトップから現場まで、自分達の拠り所としてきた組織存立の枠組みを見直していく必要に迫られていると言ってもよいでしょう。

・そこで通常、これに対して新たな部署の設置やプロジェクトによって集中的に変革を推し進めます。
そうは言っても、会社は自分達のしがらみや人間関係からそう簡単に抜け出せるものではありません。
調整、調和型の企業の場合、ドラスティックな変革ではなく、消極的な結論になりがちです。

・そこにコンサルタントの活躍の場ができるのです。
ビジネスモデルや企業戦略となると外部からのコンサルによって専門的な企画や提案を依頼します。
外部による権威付けと強力な刺激を与えて、その実践を踏まえて収益力強化を図るわけです。


・そして、その細部が現場におりてくることにより、とりわけ収益性の影響の最たるものが新年度(4月スタート会社が圧倒的に多い)予算において経費削減を強く求められ、厳しい対策を打っていかねばなりません。
それは具体的に何を削り、節約していくかの費用対効果が明確となる状態を探っているのが3~4月にかけての課題なのかもしれません。

・費用削減はさることながら中味のどこか変化したのかが見える効果も併せて考えなくてはなりません。
まさに、枠組みを変えたという結果をも念頭に入れての対応なのです。
それが上位者への自分の成果を示すアプローチとしても肝要になってきます。

・そうすると、このような取引先に対し、コンサルのスモール版の出番が営業現場でも必要になってくるのではないでしょうか。
取引先も経費節減、経費組替、新しいやり方の取込み等課題を持っているはずです。
この課題になにを(What)、どうすれば(How)を明確に説明できる、明日から実行できるプランの提案をぶつけていくのです。


・そこで、コンサルにおけるアプローチの2つの側面について示しておきます。
要は、営業全般に共通したことであり、“なあんだ”と思われる内容ですが、この2つをわきまえて使いこなすことは案外難しいのかもしれません。


①合理性(skill)

・こちらから問いかける、相手先から示された課題を診断(コンサル)するには、それなりのスキルが必須です。
目的にそってどのように推進していけばよいかの論理的構成力が試されます。

・話を聴いてもらえても、それは大小に係らず何かを変えることですから、必ず疑問点や抵抗する部分の指摘があります。
それにしっかりと応えていく論理性のアプローチが欠かせないのです。

・論理性は基本方針を示すことでもあります。方向違いやブレを戻す元になります。
また、当たり前の話ですが、目的や原因をどう考えるかで対策は異なります。
そして、何が効果的なのかを検討して提案に繋げるのです。


②情意(mind) *情理(人情と道理)と呼ぶ人もいる。←→論理

・論理性だけで人を説得できれば、苦労しません。
人の行動は必ずしも見かけの合理性だけで動くものではありません。
ここで重要なことは、相手に納得してもらうことなのであり、そこに人の気持ち、感情に働きかけることのポイントがあるわけです。

・コンサルの提案の実施主体が取引先担当者ということは、一緒に遂行しているのだとの気持ちを抱いてもらうことが最適なのです。
これは営業第一線の体験を重ねてこそ磨かれるものなのです。

・バックアップ、フォローをきちんとすることは、その中味よりも相手の良くやっていてくれているなという気持ちに訴えることの方が大きいのかもしれません。

・このように、コンサル的場面ではアプローチ(能力)の2つの側面に目配りを効かせる複眼的思考が大切です。
景気後退の中で、巣ごもりしないで積極的に挑戦して効を奏している企業が目立ってきました。
外からのアプローチによって揺り起すことを期待している相手先もあるのではないでしょうか。

以 上