・近時、中国の食の安全性や模造品、不良品の数々が毎日のように紙面等を賑わしていることはご承知のとおりです。その中で、マスコミや消費者から「安全」「安心」という言葉が必ずといってよいほど噴出していますが、どうも安全、安心は同義語として使われているような気がします。
・しかし、もう少し掘り下げてみると、次のような区分ができると思います。
「安全」――これで大丈夫、問題なしと言える具体的な基準をクリアしていることであり、その客観性があればある程安全性が強くなる。(客観的、分析的)
「安心」――反対語が不安であるように、安全を踏まえて感情面、気持ちのうえで納得できる状況にある。(主観的、身体的、思い)
・従って、順序は“安全から安心へ”です。例えば、米国産牛肉は安全が証左されても、これまでの経緯からなんとなくまだ手に取れない、もう少し様子をみて不安がなくなってからの購買行動になります。
・このように、安全だけで良いとはならず、安心にまで引率することが必要となり、その橋渡しをしていく端緒となるのは何なのでしょう。それこそが「信頼」―不信感がなくなる―だと考えます。
・企業でいえばブランドの確立がそれに当り、商店では“のれん”といえます。
信頼される会社、社員、個人となることは、まさに企業経営の基本の1つです。信頼を醸成していくにはお客様をはじめスティクホルダー(関係者)を大事のすることであり、その基本はしっかりとアカウンタビリティ(説明責任)を果たしていくことが求められます。一言で表すならば“お陰様で”という気持ちを実現することと言えます。(ある経営の神様の言葉です。)
・営業マンでいえば、そのポイントの第1歩は“約束を守る”ことにはじまり、訪問や電話をする前にお客様を知る努力をしているか、訪問で質問などにより更なる提案ができる等の積重ねが自分なりの信頼感を創っていくのではないでしょうか。
そして、この人なら信頼できるので聞いてみよう、業界に詳しい知識知恵があるので相談しようと大事にされるようになってきて、信頼関係が確固たるものになります。(ある営業の本に書いてありました。)
・社内においても、同じようなことが言えます。人間と人間の相互作業をマネジメントすることが経営の基本の1つであり、まさに社員間、社員との「信頼関係」を築いて、組織の中で信頼を高めていくことが企業品質向上のグランドデザインではないでしょうか。
・この信頼関係を通じて企業目的を達成していくと、個々人が強くなり、ひいては強い企業体質を作っていくことになると考えます。
以 上