6月の一言③ ~追伸:バイト敬語~

・バイト敬語とはアルバイトが従業員の中心となるファミリーレストランやコンビニエンスストアーなどの接客業で、とりあえず客を不快にさせないために便宜的に発生してマニュアル化してきているものを言います。


・日本語の乱れの典型としてTV等マスコミで取上げられ、違和感を指摘しています。
しかし、カジュアルな接客と考えれば、受容可能な表現との容認する向きもあり、しかも利便性から拡がりを見せて一般化していることも否定できません。


・その表現を次に例示しました。

①~のほう(方)……通常は選択肢

 ――お席の方にご案内します。グラスの方は、いくつお持ちしますか。

②~になります。……通常は帰結や変化

 ――500円になります。お待たせしました、ハンバーグになります。→ できれば「~でございます。」の使い方が良い。

③~から……通常は起点や理由

 ――1万円からお預かりします。870円ちょうどからお預かりします。→ 以前は「○円頂きます。」が一般的な使い方。
「お預かり」(返してくれるのか?)も「頂だいします。」

④よろしかったでしょうか。……通常は再度たずねる場合の過去形

 ――お箸は、1膳でよろしかったでしょうか。1万円からでよろしかったでしょうか。→よろしいですか。

⑤いらっしゃいませ、こんにちは―→本来いらっしゃいませで十分。挨拶は余計との意見がある。

⑥お次のお客様―→過剰使用ではないかとの考え方がある。(「ご注文は以上でおあとよろしかったですか」も同様)

⑦お待ちいただく形になります。

 ――ただ今30分ほどお待ちいただく形になります。→ お待ちいただきます。
これは明言を避けて不快感を和らげるために使っており、これに慣れている方が多いのでは。


・このように解説されると、なるほどということになるが、実際は日常の会話、面談、プレゼン対応等の場面でやわらかな表現として当たり前に使っています。
例えば「~の形」は受けとめる方も違和感なく、使い方が間違っているとも思えません。


・要は、会話の中であまり多用しないことと、状況を踏まえて失礼にならない程度であれば、目くじらを立ててうるさく言う必要はないと思いますがね。

以 上