・会社の経営活動は1年を周期として、その状況をみることになっています。経営全般について今年はどうだったか、昨年に比べどう違うのか、来年はこうしたいなどの区切りとなるものです。
・当社の場合は当年10月から翌年9月末までが1期になります(他社最多は4~3月)。
早いもので、この9月末で創業から数え第5期事業年度が終了することになります。
10月からは第6期事業年度に突入するわけです。
・ご承知の通り、今期は「激動の年」であり、会社運営の中身が様変わりしました。
しかし、不確定要素が強かった要員、事業運営も一定の落ち着きを取り戻し、前に向かって着実な足取りを踏める筋道が見えてきたような気がします。
そこで、皆さんが真摯な気持ちを持って力強く会社の継続的発展に参画、寄与していかれるスタートをすぐそこに控え、この状況を整理してみることにしました。
1 今期を振り返って
(1)要員構成の変動
①広告代理店事業
・創業期を担った役職員のやむを得ない退職を見こして、今期直前から要員補充を図った。
結果、人数は少なくなったものの顔ぶれは完全に刷新され新鮮さと熱意を感じる。
・この事業売上は何と言っても当社の中軸にあり、引継ぎと社長の現場復帰による現状維持体制をもって基盤強化に努めているところである。
②EC・メディア事業
・前期からスタートしたEC新規事業は順調な展開から踊り場状況にあるが、自立とその拡充を図るべく2名体制を定着させた。
・同じく新規事業の不動産サイトも専任者を置き、収益確保を喫緊の課題として提携企業拡大に奔走している。
(2)事業構成の変動
・要員変動を踏まえて広告事業環境の厳しさから、今期は収益見通しを新規事業への拡充と合わせて原点に立ち戻っての「第2の創業期」と位置づけた。
・広告事業はこの1年引き継ぎを受けて取引関係維持に終始した感が否めないが、EC事業、メディア事業を加えて屋台骨となる3本のコア体制を明確にして、それぞれのマネジメントを遂行するシナリオが確立した。
まさに、事業構成が大きく変化していくための試行錯誤の年度と言える。
・そして、今期の事業変動の経験と経過を受けて、来期に向かってお互いの事業が想定した売上、利益があげられるよう強い意識と結束を高め、挑戦していかなければならない。
2 現状認識とこれから
(1)広告代理店事業
・広告事業運営のトップ2人が退職して、社長1人となった。
その2人が権限と責任をもって事業全般を拡大させていたが、それを継承していた中堅者及び営業支援者も退職し、今期末は全体の中心に社長1人が突出する形になった。
・このことは方針、施策が一本化され、ミーティング、会議等では対面、対等の話し合いが進められる。
そこでのやり取りの中で対策が考えられて、意見、判断、決断をもらっての活動が基調になる。
要員減と併せて個々の負荷を考えると、売上確保のため中間代理店経由が多くなることは止むを得ないところである。
・ところで、1年のうち順次の退職であったため、取引先が一挙に大きく縮小したわけではない。
新規拡大にまで手を伸ばすことは難しかったが、適切な営業活動により10~7月の売上高(受注高ではなく会計上数値)は前年比98%を維持した。担当の皆さんに敬意を表したい。
(2)EC・メディア事業
・EC事業は楽天出店が成功したものの、ヤフーが減少傾向にある。
広告費との兼ね合い、台湾出店等工夫を重ねているところであるが、着実な売上伸長となる方策、手段はいまだこれといったものが見出せない状況にある。
売上はやや低位安定化の色彩が強くなってきている。
これを踏まえて、一部新規事業探索に人時を割いて可能性を見出そうと頑張っているところである。
・メディア事業は不動産サイトの反応が良好になってきている。参加企業増加と検索ランクアップを図り、粗利を着実に稼げるまでになってきた。
ライバルの出現があり予断を許さない状況の中で、2名体制から適正要員1名となったがしっかりと対処しており、これも自立の途を歩み始めている。
・いずれにしても、新規2事業は間違いなく鼎(かなえ)の軽重を問われるまで成長したと言ってよい。
そして、初期費用の多少はあるが、次の新規事業探索とその立ち上げが早めに出現して全体に良い上昇スパイラルに進展するよう皆で支えたい。
(3)共 通
・現在、全員が収益基盤作りに邁進しており、これが筋肉質な体制すなわち力強さを感じてくれば、一歩も二歩も前進したことになる。
数値でいえば、月次収益がある程度見通せて次の施策を形作ることができ、次第に発展していく姿である。「上場の旗」は降ろしてはいないのです。
・勿論、そこには多くの課題、問題が横たわっていて、その対応、解決はこれからであるが、社長1人での言動には限界がある。
社長とタッグマッチを組んで、その中身を浮き上がらせ対策を考えて与えられたミッションを遂行していかねばならない。
当然のこととは言え、そこでは次のことも視点に留め置く必要があると考える。
①選択と集中――少ない要員で多くの仕事をこなす場合、プライオリティーを考えてのこの作業は欠かせない。
②目標への手段,仮説を幾つか準備することに心掛ける。――時間的効率性はこのやり方のほうがよいといわれている。
・そして、皆さんが近似した年齢、経験の中にあっては、事業の枠を超えた遠慮のない談話が行き交う新しい雰囲気が出てきていると感じている。
また、そうであって欲しい。そこでの行動基準は次のようなことがチェックポイントになろう。
①オープン――雑談などの日常的情報交換で意思疎通を図り、お互いの事業、考え方を理解し合い、受け入れてもらえることになる。
②専門性――急進するネット業界にあって、関連分野を含む業務の専門性を高めることは必須である。
③スピード――業界の行動の基本。
スピード感ある仕事振りは取引先の要請等にテキパキと応えることになり、扱う量、質の拡充となる。
<私なりの認識>
①広告事業は既存取引先との調整局面がこれから発生すると考えられますが、大きな後退はないと思います。
それぞれの報連相を欠かさず、発生した場合、どれ位の復元力、突破力があるのかの備えは多少なりとも考えておく必要があります。
②人数は少なくなったが、不安はありません。
なぜなら、皆さんがツブ揃いで頑健性を保持していると感じるからです。
皆さんも意を強く持って事にあたって下さい。
シースタイルも業界で認められてきていると社長の朝会の話がありましたが、それを積み上げていくのに十分な人材です。
③当面は引き継ぎでの体験を離れることはできませんが、これからの商談、プレゼン等新たな経験の中で、むしろ積極的に仕掛けていくことが従前の延長線ではない自分の持ち味が作り上げられていきます。
こうしたら、ああしたらといろいろ試してはどうですか。
④上司が社長1人は経営及び個々の案件に対し活動主役の皆さんにゲキを飛ばしやすくまた、受けやすい一本化された環境になりました。
その中で、急所を外さない共通項が出来上がり、その積み重ねが会社の新たで適切な慣習となっていきます。
・上記のような活動を通じて、主張できる、協力できる、完遂できる集団が形成されることが肝要なのです。
それは皆さんの力が足し算ではなく、掛け算になることです。
年齢、経験が近い皆さんであるからこそ、単なる「仲間」を超えて「同志」となることでもあるのです。
・第6期の新たな業績は、今いる皆さんの結集された力そのもので達成されるのです。
以 上
*虚心坦懐~素直に、オープンな気持ちで物事にのぞむこと