・通常、会社には仕事を共有化し、効率よく運営できるまた、法令に準拠したルール、基準など多くの仕組みが設定されています。
しかし、個々人はこの全てを知る必要はありません。自分の仕事のプロセスにある慣習的なルーティングワークにおいて、日常対応しているのが現実です。
・それが、会社として一連の仕事の流れを作り、整然と業務の効率化を高めているのです。
当社の場合は適切な管理のために、過去の蓄積からいろいろな書式、書類、資料などの作成ルール、サンプルがあり、月次を区切りとしてこれら仕組みに沿って作業を繰り返しています。
その代表的なものが[販管表]の仕組みなのです。
・このような仕組みは、①容易に理解、使用できるもの ②共有、共通のものとして認識し、自由に使える ③書式等のなかでキチンと記録が残せることが大切です。
いずれにしても、ワンフロアの我々はすぐ隣に仲間がいますので、解からないことはすぐ聞きましょう。
気楽に相談をし、話合いましょう。
・ひるがえって、それでは個々人(自分)の仕事の中での仕組みは上手くいっていますか。
やたら作業が多く、肝心の営業活動や目標遂行過程に侵入してきていませんか。
何とか無駄のない効率を高める方法をと考えていても、日常業務に追われて過去のやり方を踏襲しているだけに終わっているのが実態だと思います。
・そこで、仕組み作りの取り掛かりとして、1つの事務作業的な仕事や行動をピックアップします。
そして、その作業の始めから終りまでのチェックリスト(チェックシート)を作ってみることをお勧めします。
・チェックリストの特徴、利点あるいは作成に当ってのポイントは、次にまとめられます。
①仕事は雑用も含め次第に増え、広がるものです。
従って、仕事をできるだけ楽にする、働きやすくすることを第1に考えて、日、週、月例業務の中でのルーチン業務をシート化する。――確実性、効率性
②能力の高さに関係なく、しかも相当な努力を要するものではないということ。
難しいものを作ってはいけません。――客観性
③誰が作ってもそれほどの差はなく、それに沿ってキチンと作業すればそれなりの結果が出せる。
記憶を辿らないこと、記録を頼りにする。――安定性
④最後に、このリストは担当者が他の仕事に移っても、後任者に渡すことができるもの。
気がついたら、いつもこのリストを利用していた。――継続性
・こういったことを踏まえて作り上げ、ルーチンに組み込んでうまくいくと、“考える”というルーチン化できない面倒なことへの時間が出来ます。
自分のノウハウは考えることで積み重なっていくのです。
・人間どうしても日常作業のほうに逃げがちです。そのほうが仕事をしている気持ちになります。
それは時間的制約の中で優先度が高いためです。
確かに、リストを作ることはプラスの負荷になり、手を付け難いまた、途中で止めてしまうこともあるでしょう。
出来れば上手くいった成功体験のうち、ルーチン化できるものがあれば、取組み易いのではないでしょうか。
・しかし、基本は仕事を楽にすることにあるので、後々のことを考えると一時の負荷はなんとか我慢して下さい。
考える時間を持つことこそ、自分の能力を高めていく将来への投資なのです。
・チェックリストを取り上げたのはあんまり頭を使わずに、レ点だけでチェックできるから仕組み作りに最も適していると考えたのです。
そして、難しい考える仕事はリストに出来ません。あくまでも定例的、作業的な仕事を取り上げるのです。
その作成ポイントは、次の通りです。
①仕事の進め方にフォーマットを作り、誰もが再現できるようなルーチンを作ること。
共有化できるものであれば、なお良。
②流れ作業の要領で作ること。1つのまとまりのある仕事のすべての“TO DO”が入っていること。
シートをチェックすることにより、動かされているような感じをもつのが適切な中身を作ったといえます。
③業務内容を出来るだけ詳細な手順に落とし込む。具体的に何をするのかが解らないようではダメ。
どうするのかの判断をしなくても出来るようなものが理想的です。
ここが面倒ですが決め手となります。
・最初の1つがリスト作成のカギを握っています。ここが上手くいかないと、ワザワザこんなものを作らなくても効率よくやれるよ…に傾いてしまいます。
これでは次の担当者に渡せません。
・第6事業年度のスタートである10月に入りました。昨年の同時期からみると、事業、人共すっかり様変わりしました。
新しい会社と言ってもよいような雰囲気があります。
今回の主旨はチェックリスト作りを通じて、それを実行することが作業的仕事の慣習になり、まとまりのある効率の良い決められた仕事となって、ひいては会社の新しい風土、文化を創っていくことにあります。
~ 新しい袋には、新しい酒を ~
以 上