6 社内調整
・社内の意思決定において、関係者のコンセンサスが重要になります。
できれば反対者をつくらないことが、案件の実施のポイントになります。
そのために、書類作成、醸成、根回し、稟議などによって事前の調整をします。
・これは稟議制度に代表されるように責任、義務、権限の不明瞭さからくるものです。
しかし、このプロセスを通じて信頼関係を作るもとにもなり、一概に否定するものではありません。
皆さんの取引先が社内決済に時間がかかる場合もこれが1つの事由です。
従って、商談はこの期間を想定、確認することを忘れてはなりません。
7 Do it yourself
・社内の人的資源でプロジェクトなどをやり抜く観念があります。
社内を知り、その文化に染まり、気心のしれた仲間と仕事をすることは不安、違和感がありません。
・これはウチとソトの分離概念が強く、カベが厚いからです。行動規範が共有され、連帯感があるというプラットホームは決まれば即実行のメリットがあります。
しかし、提携、合併、分社、M&Aが当たり前の今日、専門性、効率性からも会社の中枢部門にまでソトが請負うようになってきています。
ましてや、歴史の浅いネット業界はウチ、ソトの概念は希薄と言えます。
8 お客様は神様です。
・とりわけ、商売人がこれを標榜します。
この言葉には得意先や消費者を尊び、失礼のないようにとの意が込められた理念であり、誰も文句や批判をする者はいません。
・これはなんでも階層的に捉える文化に由来していると思います。
売り手と買い手が対等ではないということです。
そうすると実態が埋没してしまい、適正な基準の中での対応が個別の課題として歪んだ処理をしがちになります。
現実はこれに近い状況にありますが、あまりの理不尽や労苦ばかりで儲けが殆んどない場合等は厳とした対峙も必要でしょう。
適正な利益を生んでこそお客なのです。
――以上のことを極端に言えば、年齢や肩書をみて、まずはお目にかかりから始まるプロセスを重視し、話の中身よりハイコンタクトコミュニケーションによる人間関係作りに奔走して、お互いを察しながらビジネスを進めていく風習、文化なのです。
このような日本人の美徳や妙技は変化の激しい、グローバル化したビジネス社会では次第に薄れていくでしょうが、これだけインターネットが発達しているのに東京一極集中になるのは結局、face to faceによる有用な情報収集、判断材料の展開がそこにあるからでしょう。
顔を合わせ、話し合うことは想定以上に重要なのかもしれません。
以 上