・「4月の一言」の中で、何故未入金管理が大事なのかを説明しましたが、メンバーが一新し、取引先の変動や中間代理店経由による取引先接点減など営業環境もそれなりに変化していると感じています。
従って、改めて「回収の予防」への認識をおさらいし、再確認することはやぶさかではないと思い、一言書いてみました。
・営業の仕事は当初回収までのことを考えてはいるが、商売が進行していくと成果を上げなくてはならない厳しい状況において、そのプロセスのやり取りや進捗状況管理などに追われるのが実態と言えるでしょう。
長年、営業に携わっている者であれば、1度や2度は債権(売上代金)の回収がおぼつかない経験を持っていると仄聞します。
・大きな組織にあっては社員が多世代で構成され、古株社員が“ああでもない、こうでもない”と文句を言って作業がなかなか進まない面はありますが、いわゆるチェック機能を果たしてくれています。
経験の中から勘が働き、客観性が担保されていたといえます。
しかし、ネット業界にもともとそのような構成もなく、前に走りながらの対処に終始していたのではないでしょうか。
・当社は「前受金(相手先が前払)」によってそのリスクを避ける方式を採っているものの、例外扱いも散見されるので安心は禁物です。
とりわけ、新規開拓による事業拡大は利益増の基本となるため、回収の見込み、方法は明らかにしておかねばなりません
①商談内容は逐一「報連相」を忘れずに。――情報を他の人と共有すると自分だけの判断に加えて、あれこれ意見、感想などが入って客観性が確保されます。
“どうして早く言ってくれなかったのだ”では後の祭りです。
②うまい話に落とし穴はつきもの。――特に、新規取引で取引額が大きい場合は前払い条件が難しくなります。
担当者が“これぞ”と思っても、やり取りの中で大枠の会社状況や取引先を聞いて信用の裏付けにします。
不安な場合は信用調査をお願いしてください。
③記録をしましょう。――相手先と契約を交わすほどのこともない取引や状況がある場合、口約束で仕事が進行します。
何度かのやりとりに対し必ず記録をする習慣をつけましょう。
そして、全体を眺めて問題がないか、矛盾がないかなどを見直してみることです。
言った、言っていないトラブルを避ける有効な手段です。
④アンテナを張りましょう。――付き合いが長くなった会社でも急に取引が増えたとか、きちんとした支払が今月はあれこれ言って1ヵ月遅れての支払いになったなどの異変には、イエローカードと考えて情報を収集し、“そういえば、ちょっと変だった。”とならない客観的な判断に心掛ける必要があります。
・何でもそうですが、問題になってからの後始末ほど非生産的な仕事はありません。
今回の金融懸念は資金繰りが苦しくなる会社が増えてきます。売掛、前払管理に一層留意を。
~“「必ず」「絶対」「最高」との最上級表現を多用する人は疑へ”~
以 上