・1/20バラク・オバマ米国大統領の就任式があり、150~200万人とも言われる国民が一連の行事に集まりました。
そして、その就任演説は世界をリードするアメリカの行方を考える上で、また国民に対しどのようなメッセージになるのか、当然のことながら注目を集めました。
・勿論、現状は未曽有(みぞう~我国首相が読み方を間違った)の経済危機の真っただ中にあるわけですから、
一刻も早く対策に着手して欲しいとの期待感も強く、それを乗り切る意志表示がテーマとなることは間違いのないところでした。
しかし、国民を鼓舞し、世界に希望を与えるような気持ちの良いレトリックに全くなく、
「アメリカ経済はひどく弱くなった。」と国民に実務的な危機を直視するような訴えもあったのです。
得意の「チャレンジ」の言葉はあまり出てこなかったそうです。
・ある有識者がその辺を上手く分析していたので、紹介しておきます。
今回の演説のメッセージの主題は2つあると言っています。
1 アメリカの再生
・“肩についたホコリを払い、それぞれの持ち場で立ち上ってアメリカを創り直す努力をしなければならない。”(恐慌時代の映画のセリフを引用したそうです。)との表現を使って示しました。
・希望を選んだのであれば、挑戦しなくてはならない。
この困難に打ち勝ってこそ得られるものであり、アメリカはそれが出来るとの意を強く打ち出しています。
これはケネディの有名な辛口演説を思い起こします。
「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるのかを問おうではないか。」
2 責任の共有
・大恐慌を克服したアメリカの力強さの源泉は、皆さんが主役となる「社会の責任」にあるとしています。
そこには誠実、勤勉、公正、愛国心などといった古くても納得性の高い価値観を強調して、それが厳しい競争の中の経済を生き抜くための1人ひとりの責任の必要性を呼びかけたのです。
・彼が敬愛するリンカーンの「人民の、人民による、人民のための政治」の主役は国民皆さんであり、時には痛みを伴うが自分の持ち場での責任を果たす努力も求めているのです。
・日本人はあまり国家を意識することはありませんが、多民族国家のアメリカは国旗が多くの場所に掲げられているのを見ても、正当性あるリーダーシップで以って統一性を図るメッセージを伝えなければならない必要性を強く感じました。
以 上