平成21・2月の一言②~成果につながる発想~

・新規事業開拓、新製品開発等に向けての考え方、マーケティングは企業の成功例から多くの出版物があります。
そこには日常の営業活動に巻き戻してみても、共通、共感するところがあります。
まさに、成功への考え方、心構えのポイントが隠されているのです。
今回はこれをひと捻りして、商談、企画等のヒントになるよう要約してみました。
前回の「仕事術」の続きのようなものです。


①「業界」という言葉

・この業界では“こうするのだよ。”“その方法は受け入れられない。”“上手くいったためしがない。”など自分達の仕組みややり方に疑問を持たないで、否定的発言をする相手先はよくあります。

・しかし、“同じ業界でもこういう取り組みで上手くいっているようです。”業界を問わず、こういうことが今顧客に受入れられています。”などルールの視点を変えての提案が取引先の意識を変え、競争心を持たせる1つの方法なのかもしれません。


②どうすれば上手くいくかの実践は、面倒な作業なのです。

・出来ない理由を並べられて新たな提案や価値拡大に背を向けることは、多々あります。
何かに取り組むことは変化を伴い現行の仕事にプラスした作業が必要になります。
単に現行業務の繰り返しが仕事と誤解してはいけません。

・取引先の“出来ない。”をやってみよう → こうすれば出来る → 出来るには何をすべきかを考えていく方向にもっていくには、大変な労力がかかります。
取引先のメリットをとことん考え、採るべき具体策を素直に示し、実行の可能性をお互いが追及していく雰囲気作りがないと前進しないのです。


③先を見るくせをつける。

・これはマーケティングのみならず、物事に取り組むときの基本です。

新たな試みには慎重になるのが普通であり、現状維持体質に陥りやすくなりがちです。
特に、後ろを向いていては過去を懐かしむだけです。
過去の経験を踏まえての変更、見直しは馴染みやすく、抵抗感がありません。

・しかし、それは積み上げ方式であり、結果そうなったに過ぎないものです。
一方、過去に応えを求めるのではなく、目指すべき明日の姿や目標を持ったうえで今日をみて、行動を起こすことが大切です。
そうすると、目標との間を埋める活動が具体性を帯び、何をすべきかが見えてきて、適切な応えが出し易いのです。


④変化に押し流されない。

・これだけ景気が落ち込むと、上手くいかない事由を外部環境のせいにしたくなります。
時間が解決してくれる状況にはなく、じっと我慢しているとジリ貧になるだけです。
無理をしてこの変化にサオさす必要はありませんが、自らが変化に向かっていく、変化を起こす気持ちがなければチャンスも生まれてこないのです。

・業界押しなべてダメということはありません。
その中でも業績を確保あるいは向上を図る積極的な会社は必ずあります。
そこに対しては常日頃情報を集め、仕事にどう役立てていくかをつかみ、そこからの発想や相手先のメリットを考えての対処が有効なのです。
特別大きな変化ではなく、身近なところでの変化を捉えることにあるような気がします。


⑤社内での成功(イメージ)を共有化する。

・ビジネスの成功は社員の働きと協力に尽きます。
リーダーの役割も重要ですが、自分達こそが積極的に係わっていかねばならないのです。
自発性を持って価値観を共有できる組織となるためには、まさに社内の成功イメージが全体に伝わり、全体が押し上げられていくことが大事なのです。

・そのことにより、求心力が高まり、良好な企業文化として形成されていくのです。


*発想につながるヒント語句(例)

・対処から予防へ――問題があると感じている時こそ、予防措置を。

・基本的な打ち手の実行――ダメな理由を探さず、当たり前のことを徹底的に実行すると案外変化、流れがみえてくる。

・取り組みの“見える化”――取引先担当者が上の決済を得やすくするための必須条件

・一貫したシナリオ作り――“これをしないと損をしますよ”程度の説明ができること。大きく言うと、企業価値向上に少しでも役立つシナリオ

・小回りの利く対応――大儲けとなるものはそう多くありません。
他社が手を出していない又はパフォーマンスの良くないことも着実な成果に繋がることがある。

「当たり前のことイコール簡単なことではありません。」――経験を踏まえた整合性のある検討された提案に基づき、やり遂げることが「当たり前」のことなのです。
それが取引先との絆を強くするのです。

以 上