初心に帰ろう!

・ 前回に記述した「原点に戻る」と同義語と言ってよい「初心に帰る」を今回は
  取上げました。
  「原点に戻る」は企業再生の側面から捉えましたが、「初心に帰る」は個人を
  まん中に置いてみました。
・ 入社後、経験を経ていくにつれ、どのような行動、判断をすればよいのかの
  仕事の「勘」「気づき」が、磨かれていきます。
  また、仕事を通じての成功や失敗から精神的なタフさも身につき、少々の
  ストレスに耐えることも出来るようになります。
・ とはいっても、どうしょうもない理不尽さ、悔しい思いをすることもあるで

  しょう。
  カベにぶつかっていろいろ悩み、冷静でいられない時もあるでしょう。
・ このような時に、一度「初心に帰る」ということが、有効な場合があります。
  それは、何となく安心できる適切な距離を置くことによって、気持を落ち着かせ
  解決の方向性を見出すことがあるからです。
・ 「初心」は主に自分の将来の目標であったり、指針、信念のようなものかも
  しれません。
  これではバクとしていて、なにかダイナミズムな現在に適合しなくなっているの
  ではと思い、役に立たないものなのでしょうか。
・ しかし、「初心」には、カッコよく言うと振り返りに値する、次のことも含まれ

  ているような気がします。
  ①自分だったらこうしたい、お客様だったらこうしてほしいだろうの気持ちや
    想いは大事です。
    仕事に向き合った中で、人と人とのつながりを強めていく大切さを、
    ひるがえって教えてくれるのが、「初心」ではないでしょうか。
  ②マニュアルのように全員が同じことは出来ないのです。
    自分なりの発想や技能、ノウハウを築きあげていく時に、「初心」とした
    目標や信念が手助けをしてくれるように思います。
  ③上司、先輩等の指導、助言を得て、一生懸命頑張って成長していきます。
    そこでは、いろんな変化を受け入れ、自らも変化することで強くなって
    いきます。
    ふと振り返ると、その中心軸にあったのが、「初心」の場合もあるのです。
・ これらを難しく表現すると、次のように言う識者もいます。
  “「初心」は自らのアイデンティティを押さえたうえで、新しいことや変化に
   適合しながら、自分を失うことなく、進み続けなければならない支えであり、
   価値観ともいえるものである。”
・ 「初心に帰る」ことにより、精神的に真面目で誠実な当時の新鮮な空気を、
  改めて取り入れることが出来るかもしれません。
・ そして、成果と想いが一致した時、そこからリーダーシップが育っていくのでは
  ないでしょうか。