なにをいいたいの?

 もともと、話し方が上手い人はそれ程いないというのが、経験から分ります。
  会議での発表・提案、チーム内の課題解決説明あるいは社内外でのプレゼン
  などで話し方に苦労していることをよく聞きます。
 その中で多くは単なる会話ではなく、ロジカル(論理)性を求められるから、ど
  うしても不安を押さえられないのです。
 とりわけ、上に案件を通す場合、感覚的に納得してもウラ付けとしてのロジカル
  が必要です。文書化する稟議書等は客観性を添付することになります。
 日本人は同質性高いため、あいまいなコミュニケでも意志が伝わることが多
  いと云われます。また、日常のコミュニケにロジカルを求めていないので、それ
  への慣れがないのです。
 だからといって、決してそれだけで了解したことにならないことが発生します。
  正式な資料によるものでなく口頭であっても、それなりの伝え方がなくてはな
  りません。
 こういう課題があるから、検討して対処策を考えておいてくれ!”が、大分
  先での提供でよいならしっかりと情報収集や資料をそろえて、それに沿ってパワ
  ーポイント等の説明が可能でしょう。
 よくあるのは、短期間で結論を出せと云われることです。これには、話し方への
  努力をしてこなかったため、苦手と云ってよいでしょう。
 そこで、ロジカルな話し方の構成として、取っつきやすい方法を話し方のプロが
  例示していましたので、整理してみました。
  その方法の基本は「分りやすく」「しっかりと」ですが、これが案外難しいよう
  ですね。
 その方式は以下の図にあるように、「ロジカルツリー」と呼ばれるものです。
  「トーナメント方式」と云えば、分りやすいかもしれません。

 

ロジックツリー図
 このやり方は物事を論理的に分析、検討する時に、その論理展開を「樹形図」
  に表し考えていく思考技法を云います。結果→原因、全体→部分といったその
  繋がりをツリー状に図示し、相互関係を把握できるようにするのです。
 ここでは、戦略立案をしているわけではないので、日常の課題解決をロジック的
  に話す基礎を例示していました。
 例えば、A、B、Cの製品があり検討して結論を出し、上司にその優位性を伝え
  るためのロジックの組み立てはどうするのでしょう。
 A,B,Cそれぞれにいろんな要件がある中で、適切な話し方(組み立て方)は
  次のとおりです。
1. 結論は,です。ー→上図ツリー図の一番左の枠にあたる。
2. その理由は、つあります。(デメリットがあればそれも付加して話すのもよい
  でしょう。)ー→ツリー図の真ん中の枠
3. 理由のウラ付けとなる数値資料などの事実を披露します。(ここは口頭だけで
  は難しい事項もありますので、整理して文書化、図式化が必要かもしれま
  せん。)
  −→ツリー図の右側
4. 以上、だからAと考えます。(3の追認)
 ロジカルに話すためには、ロジカルな整理が必要です。この手順そのものがロジ
  カルに考えていることになるのです。
 こうしてみると、話し方の上手下手はあまり関係なく、キチンと分かりやすく
  伝わっているかどうかが勝負です。
  つたなくても、伝えるようにする努力、伝えるべき内容を伝えることがコミュ
  ニケの最大のポイントだと思います。
 与えられた条件から比較しなければならない要素を取り出し、理由の探索や
  グルーピングの示し方は、普段の難しくない課題の中でトレーニングでき、
  慣れてくるのではないでしょうか。いちいち面倒くさいですが。
 さて、最後にもう1度上記1〜4のポイントを復習しますと、
◆結論ーーー冒頭、インパクトのある言葉でハッキリ云う。結論からの話は聞き手
      を安心させると云います。(ちゃんと検討したとの印象)
◆理由ーーー上記製品例でいうと、性能、コスト、仕様など(3つ以下と云われて
      います)がこれになります。
      “性能面ではAです。コスト面ではBです”と比較します。(詳細はま
      だ云わない)
      聞き手も思い出しやすく、質問しやすい。
◆詳細ーーー例えば、“性能面でもう少し詳しく云います”と、具体的内容を組み込
      んで説明すると納得性が増します。
      ついつい詳細からの方向で説明しがちですが、分りづらく違った方
      にいくことも考えられます。
◆再度結論ーーーしめくくる。ロジックで話をしているような印象を残すためです。
 こういった思考ルートをたどり整理すると、短時間でまとまった話ができるよう
  になると思います。