新入社員1

 ビジネス街周辺を徒歩いていると、毎年ながら新入社員の群れらしき集団
  とすれ違うことが多くなりました。まだ研修中なのでしょうか。
 即現場に配置され、先輩に付いて仕事を覚えていくOJT方式が主流になり
  つつあると聞きます。
 しかし、短期間かもしれませんが、会社の現況や期待を込めての訓辞そして、
  今までキチンと教えてくれなかった社会人としてのビジネスマナー、常識など
  は少なからず実感させる新人研修が必要なのでしょう。
 現場に配置して、「何だコイツは!」では人事担当者が怒られることもあるの
  です。
 恒例の会社の入社式はメディアで映され、社会人としての生活のはじめで
  ある節目、儀式であり、社長の訓辞も取り上げられていました。
 それは、門出 → 希望に満ちた → 期待されているのポジティブスタイル
  は変わらず、それ程目新しいものはありませんでした。
 何か“おっ!”と思える、発想を感じる内容は見当たらなかったように思いまし
  た。今年はまだまだ震災を意識した発言が多くそして、例年以上にグロー
  バル化が目前に迫っているというより、既にそれを乗り越えていく渦中にある
  ことを強調していました。
 「失われた10年」がいつの間にか「失われた20年」と云われるようになり、
  新入社員は物質的豊かさを手にしているが、あまりいい時代を過ごしてきて
  いません。
 更に、決して明るい見通しがあるとは云えない時代が待っています。
  例えば、社長の訓辞を覚えていて野望や大志を抱きつつ仕事に励んでいく
  のは大変難しいことに思えてなりません。
 そうは云っても、インターネットの進化は、若い世代の努力次第で新たなモ
  でル、スキームや技術の進化を実現していく途を開いていると云っている経
  営者もいました。
 また、ある経営者はブログに新入社員に対し苦言を呈していました。
  それは“研究開発がやりたい”“マーケティング部門で活躍したい”“グローバ
  ルな部門の企画をしたい”など一見華やかで輝かしい職場を志望している。
 しかし、それが叶わないと“辞める”“別の会社の志望職場に転職する”などと
  云い出す始末である。
 大きな仕事をこなす、立派な人物になるため、辛い辛抱の仕事がいかに大
  切か分からないままでいる。製品開発、設計の一流と云われるエンジニアの
  場合、生産現場に入って実際の仕組み、やり方を身に付けないと、そうはなれ
  ないことを強く主張されていました。
 このブログは傾向として新人はダメだからの視点でものを云っているように思
  えて、何か引っかかる話を聞いているようでした。
 以上のあれやこれやを踏まえて、新入社員関連の調査や意見などをみて
  みました。長くなってしまいますので、今回は毎年恒例の生産性本部発表の
  ネーミングを記し、他は次回とします。
(1)新入社員タイプ
 ◆H21〜H23年
   H21年 … 「エコバック型」 〜折り目正しく小さくたためる。使う時は

                     広げる(育成)必要がある。
   H22年 … 「ETC型」 〜スマートさはあるが、スピードの出し過ぎは
                  “心のバー”が開かない。
   H23年 … (震災で発表せず)
 ◆H24年 … 「奇跡の一本松型」
  ・ 震災に耐え生き残った一本松の話は、多くの人々に勇気を与えました。同
    様に、困難な就活で残った頑張りが「一本松型」に例えられました。
  ・ そして、大変な事態に直面することがあっても、その困難を乗り越えていく

    ことが大いに期待されています。やがて、他の仲間とつながっていけるよう
    なって欲しい意が込められています。
  ・ 近年は会社の既存のあり様に合わせることに専念する面が目立ちましたが、
    潜在的には人間関係の絆の大切さを通じて、社会の役に立っていきたい
    気持があると思います。
  ・ それが会社の中で、変化の風の原動力になることを期待されていることも
    確かです。
  ・ ただ、この毎年の発表はマスコミ向けにニュース性が必要なため、どうも今
    年の一本松はこじつけが強いように感じました。