・ 基本的に物事は常に良い面と悪い面があり、そのバランスをとること
が大事であるのは何となく分かります。
・ しかし、人間がすることですから、自分がそう思っていない、信じていな
い情報はスルーして、都合のよいところだけの情報を拾ってしまう習性
があります。
・ そして、そこからなかなか抜け出せないのが一般的と云えます。
自分のフィルターを通じてしか、物を見ることが出来ないものなのです。
・ こういう場合、ハウツー本では人の話を丁寧に聞いて、自分が間違って
いると思えば素直に改めることが信頼を築くなどと云っています。
・ ところが、あることに不満を持っていると、同じ不満を持っている人の話
ばかりに目が行ってしまいます。何かを信じていると、それが正しいと
いう情報に注目してしまうのです。
ビジネスでも、当然起こりうることなのです。
・ この辺をよく見ているコラムがありました。没ビジネス社会にある人では
ないので、なるほどと思うところもあり、ちょっと整理してみました。
(1)対立する構図
・ ビジネス本、雑誌を読んでいて自分が抜き出す、チェックを入れるポ
イントは自分の考えに近い、正当性をウラ付けてくれそうなやり方など
を中心におきます。
・ 経験則であれ何であれ、自分のフィルターを必ず持っているものと
思います。
そのフィルターを通じての価値観が出来てくるので、益々そこからみ
て自信がつくこともあります。
・ 一方、信じてもらえない相手や自分と違うことに価値観をおいている相
手とは、どうしても対立の構図ができてしまうと云っています。
・ 確かに、全ての面で方向性が同じであり、仕事の進め方を含めて対立
すべきものはないということは、現実的ではないと思います。
・ しかし、その中で何とか“敵対的な構図”にまで至らず、わりあい仲良
く仕事を進めていることが多いのです。
・ バランスが大事とありましたが、殆どはそのバランスの強弱を踏まえ
て処理しているのです。“対立の構図”として問題視するほどのもので
はない仕事が一般的なのです。
・ そもそも、その構図は否定できないので、それを当り前のこととして
認識したうえで、カリカリしないで相手を分かっていくことだと思います。
(2)自分のフィルターをとっぱらいたい
・ 理性的になって考えれば、相手の話を聞く姿勢になることです。しか
し、所詮フィルターがあるので、どうしてもどこかで“なにを!”となり
かねません。
・ 別にそれほど目くじらを立てるまでもないと云えばそれまでなのですが、
お互いの信頼関係が次第に出来てきて、気持のよい関係が育ってく
ると、フィルターが取れるのでしょうね。
・ 一方、何でもありの方が自由で楽しい気はしますが、仕事ではそれば
かりでは放任になってしまいます。仕事は自分の都合を中心に限定
したやり方を取るようです。
・ そうは云っても、フィルターを取って世の中をみることが重要と、コラ
ムでは云っています。それじゃー、どうすれば可能なのでしょう。
・ それは、明らかに自分の価値観と違う人、違う考えが出てきても、否定
するばかりではなく、容認できるところは大切にしていくことしかないよ
うです。
・ なんのことはない、この人はこの件に関して“うーん”と思う人が周囲
にいたら、自分から絡んでいく、それが大切なことと思っていくのがよ
いのです。つまり、そんな人は多くないと思うからだと云っています。
・ そして、免疫を作っていくことで、共通、共感とまでいかなくても固執す
ることはなくなると思います。それが、バランスと云うものです。
・ 組織の中で気を付けることの1つに、自分と一緒にいて心地良い人ば
かりを集めてしまい、組織が硬直化する恐れがあることです。
・ 柔軟で活力ある組織は案外、いろんな考えややり方を持っている人
の集まりなのかもしれません。
・ 今回の「フィルターを外す」ことに何ら異論はありませんが、フィルター
を外すと自分の考えを持たない人と勘違いされかねません。そこで、現
実の状況変化に対応して、フィルターの着脱があってもよいのではと思
います。
・ すなわち、自分の考えなりを持たないと、主張の強い人に引っ張られて
結局、あの人は組織の中でどう主張していくかを持ち合わせていない、
弱い人と思われかねません。
・ “こう思われたら嫌われる”“こう言ったら損をする”など周りに気づかい
ばかりで、自分に軸がないと環境変化に無防備になってしまいます。
・ プロ意識=フィルターを通しての粘りがあることとも云えるのではないで
しょうか。