「セロトニン」

 脳科学の発達は、これまでの心理学的対処に、より一層明確な解決法
  を見出し、提供していることがあります。
 とりわけ、生活環境の変化は「気分が落ち込む」「イライラする」「自分が
  嫌になる」「ヤル気が起きない」など、すっかり思考がネガティブに陥る傾
  向が強くなっていると脳科学者は云っています。
 ネット漬の仕事、生活がネガティブ思考を助長してしまう指摘もあります。
  しかし、ちょっとした生活習慣を変えることで、ポジティブ思考にすること
  ができることを強調されていました。
 このような心、気分の不調を感じることは、「脳内物質のセロトニン」
  欠乏しているために起こる症状だと解説しているブログがありました。
 「セロトニン」を全く知らなかったため、それなりに興味を引いた内容であり、
  少しまとめてみました。
(1)セロトニンとは
  脳に放出される神経伝達物質(脳内物質)の一種。
   脳を覚醒して意欲を高める、平常心を維持する、痛みを感じ難くするなど
   の働きがあります。
  従って、セロトニンの合成、分泌を減少させるような、例えばパソコンの前
   に座り続けて(体を動かさない、息をひそめている)いると、脳内ストレス
   がかかりセロトニンが少なくなります。
  帰宅後も、ブログなどの更新に夢中といった生活はネガティブ思考にな
   りがちであり、“ウツ”や“引きこもり”の原因ともなります。
  セロトニンが増えると、次のようなポジティブ傾向が出るということです。
   ヤル気が出てくる
   集中力が続く
   平常心を維持できる
   リラックスできる
   痛みを感じ難くなる
   眠りが深くなる
(2)ポジティブ脳への切替を
  セロトニン朝の光と共に合成、分泌が始まり、一日のヤル気と集中力
   を上げていきます。日没後は睡眠にかかわるホルモンのメラトニンに変
   わるため、よく眠れるようになるのです。
  だから、セロトニン神経を活性化する習慣をつけることが、適切なのです。
   まず、朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びることです。次に、ジョギング
   などのリズム運動を行うことであり、そして人と触れ合うことが大切です。
  リズム運動といってもジョギングはどうも習慣になりそうもないと思えば、
   ラジオ体操からでよいと思います。
  これを集中できる環境で行うと、セロトニンが増えるだけでなく、コミュニケ
   能力や目標をもって行動する能力をつかさどる前頭前野の働きがよくな
   ります。
  朝晩、5分でよいのです。5分たつと心地よさを感じるようになります。これ
   を更に3ヵ月続けていると、ポジティブ脳に切り替わってくると云ってい
   ます。
(3)ポジティブ思考になっていく習慣
  何か良いことずくめですから、次の“どうしたらよいのか”の1つでも頭の隅
   に入れておいたらと思いました。
  日常生活の中で、なんとか習慣として実行できそうなものを引っ張ってみ
   ました。
 ◆朝の光を浴びる
   起床時に意識して窓を開け、外の空気に触れることで脳の活動が活性
    化するのです。
 ◆よく噛む
   食事で“かむ”ことも、リズム運動の1つです。朝食抜きは、ボーとした
    まま仕事を始めることになります。
 ◆リズム運動
   何でもよいのです。ただ、“ながら運動”は脳に別の刺激を与えてしまう
    ので避けましょう。集中して歩いても、部屋で屈伸をしてもよいのですが、
    無理をしないことです。
 ◆腹式呼吸
   呼吸もリズムですね。自分なりにやり易い、ゆっくりとした腹式呼吸
    イライラした時、落ち着くためにやることがあります。
    就寝前にやると、習慣になるかもしれません。座禅をしてのそれは、集
    中にもっとよいと云われています。
 ◆仲間との飲食
   仕事を終える頃は、脳にストレスが溜まっています。人との触れ合いが
    有効です。仲間との飲食コミュニケを手の届く範囲で、時折やってみま
    しょう。
 最近、駅や病院などの公共の場であっても、些細なことで職員にキレてい
  る中高年者をみかけるそうです。調査によると、増加傾向にあります。
 権利意識が適正に強まることは悪いことではありませんが、環境変化による
  中高年のストレス増加が背景にあると云われています。
 まさに、セロトニン分布を促す「運動、日光浴、触れ合い」を一層取り入れ
  てみてはとの別の記事もありました。
 また、ストレスに対し自分なりの日常生活の工夫、アイデアを書き出して、
  行動プランを考える「自己管理法」を提案しているコラムもありました。
  調子が悪くなるサインが出た時、どうすれば回復の助けになるかを書き留
  めておいて対処すると、早めに元気になりやすいというものです。
 他にも、「クヨクヨ思考を変えるには」「質問は態度にも配慮」「安心感を与
  える一言」「自分に出来る何かを探そう」など数多くの本、記事があります。
 いずれにしても、強制力が働かないため、なかなか習慣にならないのが
  実態なのでしょう。そして、続かなければ、元のもくあみなのですね。