怒らないマネジメント1

 近年、中高年齢の普通と思われるような人が、駅や公共の場でキレる
  ことが増えていると云います。駅員への暴力ざたは、過去5年間で3割
  増えたとの調査がありました。
 警察の暴行検挙の比較では、10代は減少、低下傾向にあり、20代以
  上の増加、上昇傾向が著しく、高齢ほど高まっているのです。
 暴力には、「力」「言葉」そして「感情」の3つがあると云われています。
  「怒る」はこの「感情の暴力」に当るのです。
 マネジメントではどうでしょう。上司が部下を「怒る」ことは、ままあり
  ます。問題は、怒りの感情をどう表に出しているかです。
 頭にきたのでそのまま相手にぶつけると、まさに「感情の暴力」になっ
  てしまいます。
 では、部下をマネジメントする時に、「怒らない」方法はないのでしょう
  か。そこを追求したコラムがありました。
 ただ、怒らない方法と云われても、そんなに簡単にできるものではない
  のです。感情をコントロールしてのマネジメントは、手間と時間が掛か
  るものなのです。
 どちらかと云えば「怒り」というものをよく知って、そのマイナス面を見る
  ことで、“ああ、やっぱり怒ることは拙いんだな”の気付きが大事なん
  だと分かる内容でした。
 人は自分の「枠」を持っていて、この枠は、「価値観」「自分にとって常
  識のようなもの」「固定概念」「期待」などと云えるものです。
 仕事の上でも、部下の言葉や態度、成果が出なかった時に、それが
  自分の枠に収まり切らないとイライラや怒りになることが多々あります。
 怒り、−−→短気 → 人間関係悪化 → ヤル気を失くさせる
  イライラ |
         ー→判断力低下 → 次の仕事の失敗に繋がりかねない
  怒りはかなりのエネルギーが必要であり、疲れます。
(1)怒って済ませる
  ついつい「ばかやろう」ヤル気あるのか」と怒鳴り、ホワイトボード用
   マーカーを投げつけたり、椅子を蹴飛ばしたりすることをやっていませ
   んか。このことで、部下が仕事を覚え、付いてきてくれると思っていま
   せんか。
  しかし、フォローもなくそれで終わりでは、一時的な成果につながるか
   もしれませんが、長続きしないことは分かるでしょう。
  「怒り」は怒っている事実だけのインパクトとなり、背景にある意図や
   意味が見えません。目標達成を鼓舞しているとは思えなく、部下は
   萎縮するばかりです。
  すなわち、これを怒りのマネジメントとすると、「怒って済ませる」
   いう手段を選択しているのに過ぎないのです。感情をコントロール
   してのマネジメントは手間と時間が掛かるので、そこを省略しようと
   しているのかもしれません。
(2)感情の暴力の結果
  「怒る」は秩序を正すなど良いことがまったくないとはいえません。
   ただ、職場の信頼関係、人間関係を奪うことになりかねません。
   成果を目標とするなら、良い方法とは云えないと思います。
  あの人に「何を云っても無駄」「怒られるだけ」と受け止められて
   は、コミュニケーションを増やし部下を理解していくことが難しくなり
   ます。
  感情が安定している人には、話しかけやすい、周りの人から情報が
   集まりやすくそして、職場の活気がでてきます。
  自分の枠となる価値観等がイライラや怒りに繋がっていることは分
   かりましたが、物事により枠の大小や形はいろいろのようです。
  また、その時の気持、環境状況によって、枠の外に出てしまうこと
   があります。取引先とのトラブルが続くと、「またか」となって怒鳴り
   ちらすかもしれません。枠の容量が変化し、小さくなっているので
   しょう。
(3)期待を伝えているか
  このように、イライラして怒鳴ることは、自分の中の枠の容量が原
   因で起こるのです。とくに、自分の思い通りにならなかったり、期待
   した結果が出ない時は、こうなるだろうと設けていた心の枠の外に
   なって、怒るに直結してしまいます。
  自分勝手な「期待」を読んでくれて行動する部下は、そんなにいま
   せん。いわゆる云われなくても“わかるだろう”です。
  「あいつは、人の話を聞いていない」と怒る前に、「伝え方」がどうだ
   ったのかを一度問題視した方がよいと思います。“こんなやり方で
   分かってくれているのだろうか”を考え、ちょっとした工夫を都度仕
   組むのがよいのですが。難しいですかね。
  部下がどう受け止めているかを気にして、部下が“分かりました”と
   云えば、復唱させるのも一つの手です。そうすると、何が伝わって
   いて何が伝わっていないかが簡単に把握できます。
もう少し記述したいのですが、長くなりすぎるので次に回します。
  すんません。