・ 前回と重なる部分があると思いますが、ちょっと云いたりなかった
  ことを書いてみました。
・ さて、常時怒っている印象を受けるようなマネジメントは、部下が本気
  で付いてくることにはならないでしょう。しかし、時には、怒る必要があ
  る場合、キチンと怒らないとナメられてしまうことも確かです。
・ 業績上向きの時は、緊張感を維持して成果を上げていくためには適
  切な場合もありました。ところが、現況の厳しい環境下にあっては、怒
  りはただエスカレートするばかりで、個人の感情が強く出て冷静な判
  断も出来なくなります。
・ そうなると、上司に対し周りから声を掛けない、情報を伝えない、共有
  できない、チャンスがあっても云わないなど負のスパイラルになりま
  す。実感として、怒りによって「得」をした気持にならないでしょう。
・ 怒りはパワハラと結びつき易く、今時通用しない、流行らないと云って
  もよいのです。それは、次の手で納得させられることが出来ていない
  結果なのかもしれません。
・ 部下も、こうすれば怒られないと対策を立てている(=世渡り)ものな
  のです。また、こんなやり方を自分はしたくないと反面教師とする人
  がでてくることは、与えられた仕事以上のことは避けます。
・ ただ、怒られるのがイヤでのゴマカシは、ダメです。怒った後で反省
  するような仕草をする上司であれば、事実を基に話をしていくと、怒り
  は少し収まると思います。
・ フリーアナウンサーがコラムで“コミュニケーション術”を連載してい
  て、いつもその記事に感心しているのですが、そこに「ダメ出しのやり
  方の3つの基本」というのがありました。
・ それが、この「怒り」に共通している点を強く感じました。解決法と云う
  より、「心掛け」と云ってもよい内容です。
  1. 穏やかに
   ・“よく頑張ってくれたなぁ”などの一言は欲しいものです。怒りは部
    下のメンツをつぶしていることがよくあります。
  2. 企画と提出者を分けて考える
   ・企画のやり方、対応の仕方などが悪いのであって、仕事と外れ
    た個人の性格、人格まで追求してはならないのです。
   ・目標未達の場合、原因は商品そのものに魅力がなかったのか、
    それとも営業の仕方が下手だったのかの分析が欠かせないのと
    同様です。
  3. ともに解決を模索する
   ・“どこをどうしたらよいのか、もう一度考えろ!”と云いながら、何を
    云っても否定が先では上司失格です。
   ・また、悪いところをほじくり出すような発言は、ストレス発散のため
    だけになってしまいがちです。
・ いずれも、モチベーションを下げない方法なのです。怒りの後でもよ
  いからこれを参考に、少しでもフォローできればと思ってしまいます。
・ そうなると、「怒り」を押さえて、良い方向に持っていく「おおもと」は、
  次にあるような気がします。
  1. 変えられない事実(過去)に怒っても、解決に向かえないのです。
    怒っても仕方がないと思い、今後どうするかを共にに考えていく
    姿勢が仕事を前向きにします。
  2. 人も変えられないのです。別の人に振ることは出来るかもしれ
    ませんが、その人は存在するのです。だからこそ、イライラをコン
    トロールする必要性がそこにあるのです。
    その人をうまく働かせるのは、自分なのです。
・ ところで、前回のコラムの中に「怒らないようにするための体質改
  善」を著者の経験から、次のやり方が効果的だったと云っています。
  1. いやだけれども、自分の怒りやすい状況を知っておく。
   ・記録をつけます(日記、手帳など)。
    このことによって、自分がどういう状況の時に怒りやすくなるのか
    を客観的にみることができて、怒らない選択枝があることが解り、
    怒ることが次第に少なくなります。
  2. 部下への指示に必ず、期限を入れるようにします。(すぐ、出来
    るだけ早くなどはダメ)
   ・そして、自分がこのように怒られたらどうだろうか、部下の良いと
    ころも思いだすといったことが、怒りにつながる面を少なくするの
    ではと云っています。
  3. 最後に、「怒らない」と決めることとしています。
・ このようなことが出来れば苦労しないのですが、我々凡人は怒らな
  い技術を身に付けることは至難の技と云えます。
・ せめて、「怒りで人は動かない」を肝に銘じて、頑張ることです。
  仕事は誰かがやってくれるわけではないので、どうしたら皆んなの
  ヤル気につながるのかを仕事の場で経験していくしかないのかも
  しれませんね。