チャンスをつかめ!

 リーダーとしてのスキルアップを掲載している雑誌があり、その第1回
  が「チャンスをつかむ3つの条件」です。
 どちらかと云えば、優れたオーナーやそれに近い経営者の考え方、行
  動から引っ張ったものです。ただ、実戦向きかなと思ったのと、3つにプ
  ラスする中味もありましたので、取り上げてみました。
 だから、ステップアップをしたいと思っている普通のリーダーのノウハ
  ウと云ってよいでしょう。近年の厳しい環境下にあってのヒントになるか
  もしれません。
(1)運に任せるな
  居酒屋で1杯やっている時に、「あいつ、うまいことやりましたね。」「ツ
   イてますよね。」「オレにも、あんなチャンスはこないのかな。」など
   の話題がよくでていますね。
  そうすると、先輩、仲間の反応は、「おまえのところにも、チャンス
   巡ってくるよ。それをつかんで、モノにすることだよ。」「来ているチャ
   ンスを逃しているんでないか。」などいかにもチャンスは平等にやっ
   てくることを云われています。
  この記事は、「そこを捉えろ」ということですが、そこにある私なりの
   基本は、
   今の仕事をキチンとしていないと、チャンスは巡ってきません。
     普段の仕事を効率的にスピーディに達成していると、上司や先輩
     がランク上の仕事新たな企画などを「任せてみるか」になる
     のです。
   やっぱり、アンテナをしっかりと張って周辺業務や関連することの
     情報を収集し、具体的な動きはしないとしても、何が問題かを考
     えて目配りしていくことが大切です。
   そうすると、「できるヤツだな」「目配りのきくヤツだな」になって、仕
     事が集まり、その巾や深さがドンドン身についてきます。
     そして、本当にチャンスといわれるような仕事にぶつかり、こなす
     ことができるのです。
  そういう努力をしている人が、チャンスをつかめるようです。筆者がい
   う「チャンスはひっそりと近づいてくるが、猛烈なスピードで去ってい
   く。」のです。
(2)目標を設定する
  チャンスが目の前に来てから、「さて、どうするか」の悠長な対応
   間に合わない環境になってきたのです。単に今までの常識や自分
   の感度だけで、ものにすることはできないと云うことです。
  更によくないのは、そんなチャンスが自分には巡ってくるはずがない
   と、考えもしないことです。
  記事の中で、「ハワイに行きたいと思わない人は、一生ハワイに行け
   ない」と云っています。
   まずは、行きたい → 仕事などでお金を貯める → タイミングを見計っ
   てハワイにいくことです。
  目標を持っていないと実現できない、実現するチャンスを見逃す、気
   付かないことになってしまうのです。とくに、リーダーの立場にある
   人は組織目標をメンバーに自分達の目標に落してキチンと説明、指
   示を与えなくてはなりません。
  すなわち、目標を持ってその絵、風景を描けるかであり、仕事の中
   で具体的にどうなっているかをイメージしてみると、理解しやすいと
   いうことです。
(3)“いつまでに”は、常に考える
  目標を持って絵を描けても、“いつまで”の条件と“行動力”がなくて
   は結局、進まない、何もしないと同じになってしまいます。画餅です。
  ある経営者はデッドラインを設定して、そこに集中する、全力を尽す
   面が必要と云ってます。当然、部下にも守らせるものを示すことです。
  ところが、意外とそれが出来ないことが多いのです。それがドンドン出
   来ればリーダーとして悠々ですよね。
  リーダー“部下に任せてます”と行動を縛らないやり方は、ちょっ
   とカッコよいようにみえますが、結果が出るまで放置していることなの
   です。成果が出ないと、最初に戻って考えなければなりません。
  やはり、プロセス管理の中心にある“いつまで”をキチンと見極めて、
   方向、行動の修正ができる進捗状況の把握が必要といえます。
(4)やるべきことの「見える化」
  通常、組織では先行して目標と期限が設定され、その達成に向けど
   うやっていくかはリーダーに任せられます。
  そこで、リーダーが実践していく方法は、そこから逆算していつ、何
   を、どうすべきかなどを一目で分かるようにすることが大切です。
   目標を分割して小さな目標にすると“いつまでに”がよく分かると云
   われています。
  このように、「見える化」をしてスケジュールの中に細かく落し込ん
   でいくことで、何が達成されて、何が未達なのか、その未達にどう対
   策を打つのかがスムースに行えます。
  チャンスをものにするとはこのことであり、繰り返して課題をこなして
   いくと別のチャンスが訪れ、「見える化」が生かされるのです。
(5)チャンスの意識の共有
  課題を達成していくことは実績の積み上げであり、自信となります。
   そして、他の関連する課題に首を突っ込めることにもなるのです。
  そうなると、面白いもので、上司が新しいチャンスを与えます。
   “やった!”と思って、その後ボーとしていてはダメなのです。
  次々と成果を出すと、目標達成に一緒に働いた部下が何をやって
   も自然とついてきてくれます。良いレッテルが張られたのです。
  周りの人も参画したい気持になり、成果を上げるために大事な意識
   の共有化が上手く図れてしまいます。
 チャンスは、そこらへんに転がっているものではありません。与えられ
  た地道な仕事を誠実にこなして経験を積み、ビジネスの一通りが分か
  って始めてチャンスと思われるようなものに、何をどうやってのやり方
  がうっすら分かるのです。
 チャンスという言葉はビジネスの話題として取り上げられますが、夢中
  で仕事をして、あとから“あれがチャンスを捉えたことなんだ”と振
  り返るようなものではないでしょうか。