「中間管理職」

 宋文洲氏のブログに「良い中間管理職と良い経営者」がありました。
  さすがに捉え方がスルどく、とりわけ“中間管理職”のところでなるほ
  ど面白い見方だと思うところがありました。
  感想を含めて取上げてみました。
 会社運営の実務を取り仕切るのは、中間管理職(=同職位のマネ
  ージ
ャー)
であることは論を待ちません。すなわち、具体的な強さを
  持つ上司がいないと、現場がまとまりません。
 ところが、マネージャー本人は、ついつい人格も気にしています。部下
  からみると、それはそこそこでよいのであって、素晴らしい人格者はか
  えって嫌われる面があります。自分の双方の経験からもそう思います。
 マネージャーは、上にも下にも人気があるのが一番です。しかし、そ
  れは大変難しいことでもあります。仕事などのその時々の条件によっ
  て少々理不尽でも上の方針、命令を遂行しなければならないことだっ
  てあります。
 だから、マネジメント本にあるような優秀なマネージャーは、少ないと
  云えます。 中途半端な位置づけ、状態にあるのが実態なのです。
  まさに、“中間管理職”なのです。
 1.下に人気があって上に人気がないマネージャー
   下に人気がありすぎると、上はその人の昇進をためらいがちなり
    ます。自分流が目立ってくると、組織人としてはどうかななどの屁
    理屈がついてきます。
   カリスマ的上司はこのようなマネージャーを避ける傾向にある
    と云われています。
   とはいえ、マネージャーが良い上司にめぐまれると、部下のいろ
    んな努力を実現できる可能性が高くなり、下にも人気が出て幸運
    と云えます。
 2.上に人気があって下に人気のないマネージャー
   こちらの方がリスクが少なく、多くのマネージャーこのタイプ
    です。同僚との飲み会でマネージャーが上にへつらっているなど
    の悪口は常です。
   仕事に厳しいだけのマネージャーは下手すると部下達の仕事
    邪魔をしていることがあります。だからといって、人気取りに走っ
    てよいのでしょうか。
   中間管理職の名前が示しているように、部署の目標達成や上から
    の方針、指示に対してそれらを咀嚼して部下達に達成に向けて伝
    達、指示していくのが基本的役割です。
   だから、上との関係を良くしておくことは組織人として必要なこと
    も確かなのです。
    なんといっても、上が人事権、評価権を握っているのです。
 それでは、良いマネージャーと云われる人がそのまま良い経営
  なれるかと云うと、ならないとはいえませんが、なるとは限らないと云っ
  ています。
 その意味は、
  本当にマネージャー職がピッタリなら、それはトップの能力、適正に
    向いていないのかもしれません。早い牛が馬にはなれないとも云っ
    ています。
  とはいえ、マネージャー職を十分こなしているのでトップに向いてい
    るかどうかは、やってみなければ解らないのが正直なところかもし
    れません。
 このように、両方の意味を含んでいるので、難しいとしか云いようがあ
  りません。要は、理屈で白黒を単純に表せるものではないのかもしれ
  ません。捉え方の傾向ヒントと思えば。
 日本企業の場合、多くは持ち上がり役員なのです。そこに長い会社
  組織経験を踏まえて人材を評価しているので、概ね役員として及第点
  があるように思います。(部門利益代表的なデメリットはありますが)
 上とぶつかってばかりしていて会社を辞めた人が、創業者として良い
  経営者になることはあるようです。サラリーマンとして中間管理職には
  向かないが、トップとしての能力、素質がある人もいて、メディアも持
  ち上げます。
 ただ、そんな人がたくさんいるわけではないように感じます。しかし、新
  たに経営のスタイル、ロジックを変化させていくプロパガンダの役割
  を担っていくことになると思います。