- ドラッガーと云えば「マネジメントの父」とも呼ばれ、ビジネスにおける知的労働を創るという視点からの条件等を提唱しました。特に、日本のビジネスパーソンに大きな影響を与えた人物であることは、周知の通りです。
- 「時間管理」は職種等にかかわらず、多くの識者からのスキルアップ提言があります。一度は参考にして考えたことがあるのではないでしょうか。
- しかし、自分にフィットして、続けられたかというと、なかなか上手くいかなかったと思います。
- ドラッガーについては、ドラッガー学会がある位の研究に値する著書が多くあり、その学会理事が易しく解説している「時間管理」のコラムがありましたので紹介します。
1.ドラッガーの言葉
◆成果を上げるには、自由に使える時間を大きくまとめる必要がある。
◆大きくまとまった時間が必要なことは、小さな時間が役に立たない
ことを認識そなければならない。
2.「知的労働」における時間
- 平凡な企画の数を競うのではない。重要なのは「効率」より「効果」であり、そのためにも時間という資源を最大限活用する「時間管理」が大事なのです。
- 細切れ時間は大きな事をじっくり考えるのに向いていない。学会理事は、“まとまった時間をいくつ確保できるか、すなわちスケジュール帳を埋めるのではない。いかに空欄を作るかがドラッガー流の時間管理であり、経験から2時間が必要。”と云っています。
- とはいえ、普通は日常の仕事に追われており、なかなかこの発想はでてこないものです。そこでの時間管理にも役立つ体感を持たないと、企画業務の時間管理が難しい気がします。
3.実践のための3ステップ
(1)記録する
- ”記憶はあてにならない”のです。リアルタイムに細かく、どんな活動にどれだけ時間を使っているかを記録するのです。
- まずは2週間を記録すると、自分のクセやムダが浮かび上がると云っています。そこから始めないと、時間が見えてきません。
(2)整理する
- 確かに、企画、提案は今の状況がどうなっているのかが分からなければ、どう良くしていくのかが掴めません。その作業の中で、時間を空けていく整理が必要になります。
- 活動の洗い直しのポイントは次のことと云われています。
◆捨てる
◆任せる
◆見直す
- これはある程度現状業務に慣れてこないと、実際には難しいでしょう。同僚等の何がやりたいのかといった賛同の空気が必要なのかもしれません。
- いずれにしても、記録から次のステップを踏み出すためには、何らかの整理がなくては意味がありません。
(3)まとめる
- スケジュールを整理する中で、生じた空き時間を「カタマリ」として使えないかを考えます。
- この作業は“自分がやるべき大事な仕事とは何かを見直すことにつながり、意識する。”と学会理事は経験から云っています。
- 時間の使い方の棚卸をして空き時間を作ることがクセになってしまえば、いろんな仕事への広がりができてくるのです。
- 現実は日常の仕事が優先され、その方が楽にスムースに仕事ができ、毎日が過ぎていきます。ただ、改善や企画業務は一人というより、誰かと組んだりチームとして遂行することが多いと思います。
- そこでの経験が知的労働に対する時間管理が分かり、効率的に良い結果を出す一つになるでしょう。そうなると、大事な仕事が舞い込む機会を増やします。
- そして、そこで時間管理が生きてきて、成果を出すと次の上昇ステップになれば最高です。