・ 新入社員関連の調査、意見等の前回の続きです。
(2)新人研修セミナー担当講師の話
・ 近年の特徴として、「協調性」が際立って高いことが云えます。そして、素
直なのが印象的と。
・ 研修において自分達がどう見られているのかを強く意識しており、周囲に
合わせる傾向があります。
・ 主体的にチームを引っ張る意識が薄く感じますと云っています。
やっぱり、就職難が学生を保守的にしているのだろうと。
・ 昨年の調査になるが、
◆担当講師へのアンケート……「集団生活への取り組み姿勢は積極的」
83%と非常に高い。
◆新入社員へのアンケート……「型から外れることへの恐怖がある」60%
と、前年より10ポイントアップ。
「とにかくやってみる」50%あるが、前年より
10ポイントダウン。
・ 今年も同じ傾向になるだろうと予想されています。
また、3月に内定者に行った調査によると、「3年後はどうなっていたいか」
質問に対し、1位は「会社から役に立っていると思われる」であり、消極的
な面が伺われます。
・ 自分の新人時代を振り返ると、今の新人の方が優秀と感じています。
言動や耐久性はどうかと云われるが、要員が厳しい現環境下で仕事を進
めていく能力自体は大いに評価してよいのではないでしょうか。
・ よく例に出される“いまどきの新人”の奇異な、異端的な言動はどの時代
にもいるのであって、決してそれが一般化しているわけではないと思います。
・ 「ゆとり」「草食系」はメディアのキャッチフレーズであって、バリバリ
頑張っている新人が多数派だと思います。
こういう云い方をする指導者は「思考停止」といってもよい位です。
・ 大事なのは、大変ですが強みを見つけて尊重し、信頼関係を築くことです。
当り前のこととはいえ、そうしないと心を開いてくれないのです。
・ ところで、漫画の「ワンピース」快進撃の理由を分析して、解説しているも
のがありました。何か参考になりそうだったので、まとめてみました。
・ すなわち、地道な「努力」「友情」「勝利」の王道を崩さずに「横」の関係性
を目出たせています。
・ これは他者との関係性が強化されることで一層力が強くなり、そして仲間の
協力で困難を乗り越えて目標に近づくのです。
・ 仲間(同僚、先輩、上司)との上手くいく関係を強く意識しているということ
であり、そこを新人は求めているのかもしれません。
「仲間力」と表現する人もいます。
(4)上司の方から
・ “いまどきの若者は、これまでと違う”が喧伝されすぎて、大して歳が離れて
いなくてもどうも上手くコミュニケが図れていないと感じる先輩が多いこと
は確かなようです。
・ “ここ数年、新人に厳しく叱責したことはない”も多く、いつまでもこの問題が
解決しない状況になってしまっています。
仕事の悩みなどを一人で抱え込み、変な言動になってしまう新人もいるの
です。
・ 当然、誰もがこのような状況や傾向にあるわけではないと思います。
新人に対する注意点と思ってよいことなのですが、今まで以上に新人に
気を使うことが求められており、強調されているだけなのです。
・ 育成していくコミュニケのコツは、次のことの使い分けではないかと云っ
ている調査解説がありました。
◆やらしてみよう
・理解し、納得すれば素直に頑張って仕事をします。だから、少々面倒く
さいがキチンと説明することに心掛けねばなりません。
◆“挫折経験は仕事のコヤシ”は疑問
・仕事を達成する上での新人がよく直面する壁のようなものを先輩は知
っているはずです。
・その場その時の心構えのようなことは、あらかじめ教えておく方が精神
的によさそうです。実際、そういった時に相談、支援の窓口を感じさせる
日常の接触が重要なのです。
◆先輩風を吹かす
・アルバイト等で経験はしているものの、いろんな仕事上の人間関係
はまだまだといえます。そこで、一緒に仕事をする仲間として、頼れる、
話が出来る先輩は否定されません。
・プライベートへの干渉も状況によっては仕方ない、あるいはやむを得
ないと思っているらしいです。
(5)新入りの方から
・ 仕事に溶け込んでいく、進めていく上で、新人が期待していることを拾っ
たブログがありました。
そこでは、行動を共にする共通の友達がいる学生時代と違って、不安感、
孤独感が強く出てきます。
・ 昔のように周りに大勢の先輩、同僚がいて、何やかんやと目配り、心配り
してくれたが、今は仕事が忙しすぎてそこまでということになるのです。
・ そうなると、“自分はこの会社に入って良かったのか”と思うことが増えてく
るそうです。
新入社員調査でも、彼らが職場に求めていることの上位にあるのは、
次の2つなのです。
1. 指示が的確な上司、先輩
2. よくアドバイスをくれ、相談に乗ってくれる上司、先輩
・ とくに、最近の就活の厳しさを通り抜けてきた人達だからこそ、日々の業務に
追われる中でそれが自分のキャリア、成長につながるのだろうかの思いが
強いと云われています。
そのため、余計に具体的な指導を求めているのです。
・ 彼らへの周りの接し方は「多様性」を認めてまず彼らをそのまま受入れ、極
力声に耳を傾けることだそうです。
・ 一緒に職場を良くするよう努めていくことを示し、折れそうになる若手を支
えていく基本は変わらないように思います。
上司は、そんなことを求められる時代になっているのです。
・ 社歴の若い I T 企業では誕生会、花見などのイベントを繰り返し実行して、
個々の社員を認知していることを伝える場を充実させています。
・ メール世代と云っても語りの場、機会の大切さを知っており、普通に接するこ
とをなんとかやってみることです。
何はともあれ、我々からみると、若さに優れるものはないのですから。