とりあえず、やってみよう!

・ 高度成長期の頃、仏国の女性大臣が来日しました。
  そして、“ これほど成長したのはよほど周到で、キチンとした、国をけん引する
  ほどの素晴らしい計画(戦略)があり、それを実行したためなのでしょうね。”
  との意の質問がありました。
・ その時、応えに困ったということを、聞いた憶えがあります。
・ 企業については、当時でも中長期経営計画を策定していました。
  大きな設備投資や先端技術追求などの部分は綿密な戦略を立てて、計画の中に
  しっかりと組み込んでいました。
・ しかし、毎年実績が前年を上回る状況にあっては、いけいけどんどんの計画が

  先行しての設定のような気がしました。
  また、それへの執着も薄かったように思います。
・ どちらかと言えば、身近で解りやすい年度計画(予算)をクリアしていくための

  強い努力、頑張りがあったものです。
・ この年度計画は現場の積上げが中心にありますが、それをまとめる各事業の策定
  担当者の思考の中には、どっこい中長期の発想を忘れてはいません。
・ 明確で、権威付けられた具体的なものでないにしろ、将来の窓から眺めての仕掛

  を作り、今年度の計画を策定していました。
・ このやり方が、どうも日本人の特徴であって、そこに能力が最大限に発揮されて
  いたように思います。
・ それが仏国大臣来日の時の、自分なりの感想でした。
・ 現在、事業環境が益々厳しくなる中、現場の支店、営業所は上からの数値目標に
  対し未達の月が多くなり、知恵を絞っての取組みが続いているのが実態でしょ

  う。
・ 難しい状況にあって、それを一挙に打破できる妙案などありません。
  そして、だれもが余裕を無くし、やるべきことさえ見失しがちです。
・ それなら、小さなことでもよいから、なにかを “ とりあえず、やってみよ

  う!”です。
・ ここでのヒントは、日本人が得手とするちょっと先までの考えを組み込んでの

  やり方活動とすることです。
  ①あれこれ蓋然性を組み立てての見てくれよりも、“ 使い勝手ありき ”です。
   ・ 日頃こうしたら、ああしたら、仕事の中で気になっていたことなどを

     キッカケに、手近な目標を出していくのが、取組み易いのではないで

     しょうか。
  ②自分達が考え、発言、行動したことですから、そう簡単にやめるわけにはいき
    ません。
   ・ 上手くいかなければ、どうしてだろうと次善の策を考えるものです。

     そして、一途な頑張りは周りに影響を与えます。
     なんかよさそうだなと思ってくれれば、シメタものです。
・ どうせやっても上手くいかないのだろうなど、最初から負の結論めいたものを

  持ってしまうと、折角の気持も萎えたままでのスタートになります。
  “ やってみなけりゃ、わからない。” のです。
・ “ とりあえず、やってみよう!” の究極の目標は 1+1 が2以上になる

  ことではないでしょうか。
  すなわち、職場全体への相乗効果を期待しているのです。職場が、締ってき

  ます。
   *「過去は全て栄養素である。」(ある経営者談)