質問上手は仕事上手

 最近は経営学、マネジメントのような大枠よりも、仕事を上手く進める手法、
  手順等の細かなところを社会学、心理学を含めて論理的に整理、探って
  いる冊子、コラムに注目しています。
 “なるほど”と思ってしまいます。ただ、実際に活用することはほとんどなく、
  忘れてしまう方がほとんどです。
  しかし、時には何かのヒント、方法として活用できることは確かです。
 特に、部下に対して仕事の指導、教育、指示等が益々難しくなってきて
  おり、それらへの対策、手法が巷に多くみられます。
 今回は、「質問力」に視点を当てたコラムがありましたので、紹介します。
 部下の“どうも思うようにいかない”“どう向き合えばよいのか”といった悩み
  に対し、“ああしろ、こうしろ”との説得、指示を中心に対処することが多いと
  思います。
 しかし、内容にもよりますが、直接的な応え方よりまず質問から入り、理解
  して行く方が効果大の時があります。
  「質問」は、情報を得るだけではないのです
 (1)部下との対話の一手法
   質問から始めて、段々と掘り下げていくのです。
   いろんな仕事にどうしたらよいのかなどの不安、心配に上手い接触の仕
    方は、同じ目線で一緒に考えてみるという姿勢です。
   それには、一方的な話し方や口論にしないためにも、質問方式が適切
    です。
  ①安心感をまず与えることです。
   質問が問い詰めたものではないとの受止めが必要であり、表情、目線、
    声のトーンそして、相づちまでして安心感を与えるのです。
  ②問題を引き出し、掘り下げることができます。
   ・“何が原因なのだろう。”と聞いていくことです。「何故」だけで追詰めて
    はいけません。
   話している内に、共通の土台に立って何が問題かがよく分かってくると云
    われています。
  ③解決法が見出せます。
   いろいろな質問や対話から、部下自身に考えてもらう方向になっていく
    ことです。そこで意欲を引き出せることが、最適です。
   “どうすべきなんだ”“こうすべきだ”はダメです。“これから、どうしていき
    たいの”が普通に質問として出るようになれば、良です。
 (2)スライドアウト方式
   複数の問題点や解決方法がある場合のやり方の1つです。
   例えば、原因はA → 他にあるか → Bもあります。組み合わせに
    よって全体像を把握するのです。
    「どうすべき」の質問は「何故」と同様、避けることです。
   問題解決のモチベーションを引き上げることが、大事です。
    例えば、最初からチャレンジ目標を押しつけるのではなく、“明日、5件訪問
    するのだが、どこからが良いと思う。”と小さな一歩を応援していくのです。
 (3)営業現場の工夫
   相手の立場になって聞き、そこから相手の状況等を配慮した質問をする
    ことが基本であることは、当然と云えるでしょう。
   そうすると、前向きな答えが、返ってくることがあります。それを逃さず

    拾っていくのです。
  ①相手の立場になっての質問から始める。
   ・相手が関心を持ちそうな質問は、いろいろ考えておかねばなりません。
  ②ニーズを引き出す。
   ・最初は応えやすい質問から、徐々に具体的な情報を引き出します。
   ・「5W1H」を思い浮かべながら、いろんな切り口で云えるように。
  ③先に感情を動かす質問を。
   ・あるべき姿のようなものをイメージしてもらう質問をして、感情を先に動か

    します。そして、こちらの条件を説明すると、受入れやすいと云われてい

    ます。
   ・相手が了解しやすい正当性(ウラづけ)を支える言葉が見つかれば、上手く
    いくことがあります。
・ いずれにしても、
   会話の展開は−−オープンクエスチョン−−自由に話をしてもらう状況を
                       作ることです。
   会話をコントロールしたいときは−−クローズドクエスチョン−−二者択一
                                 など
・ 質問力」を磨いてください。
  そして、その中で心掛けることは、誰であれ質問に応えてもらった時に感謝、
  尊敬の気持を表すことです。