毘沙門堂を訪ねて

 今年もあとわずかを残すのみになりました。毎年のことですが、顧みると
  1年はあっと云う間に過ぎてしまうものですね。
 何といっても大震災は、皆さんのどこかに、何らかの影響を与えたのでは
  ないでしょうか。
  家族との絆、リスクへの備え節電もあり生活そのものへの行動、考
  え方等を一度はチェックされたのかと思います。
 被災者、被災地のための復旧復興のグランドデザインを描いて、具体的
  な活動は粛々と進んでいるのでしょうが、メディアで知る限りその言葉に合
  うかどうかは、まだまだの感がします。
 “日本頑張れ!”“東北頑張れ!”の精神的結束を伝える、共有することより、
  今は具体的な生活レベルでの支援、助成を話し合い、着実に目に見える
  形
で出来上っていくことが必要です。
  それがあってこそ、自分達もやれそうだに繋がっていくのだと思います。
・ 先日、TV取材の中で建物も何もない被災地のとある十字路に信号機がつい
  たことが、復旧への道しるべのような気がすると被災者が云っていました。
  これも、その1つなのかなと思いました。
(1)京都に行こう
  さて私事になりますが、実家が京都にあり実母の様子を度々伺いにいくこ
   とに併せて、時折寺社観光に行っています。
  何のことはない、若い時にはそんなものに興味はなく、行こうともしません
   でした。ところが、高齢になると不思議と寺院の庭園の美しさ、国宝の仏像
   の素晴らしさに気持が傾くようになってきました。
  春秋の桜、紅葉の季節は、うまい具合に毎年JR東海「京都に行こう」
   シリ
ーズの観光ポスターで大々的にPRします。見事な寺社の景色を写し
   出すプロの写真家にいつも感心します。
  さすがに今年の春の桜シーズンは、行ってみようと云う気持になりませんで
   した。
  秋のそれは「毘沙門堂門跡」の紅葉でした。知る人ぞ知る名所なのです。
   肝心の盛りの時期ではありませんでしたが、11月中旬に足を延ばしてみま
   した。
(2)山科「毘沙門堂門跡」
  「毘沙門堂」は天台宗の門跡寺院の1つであって、京都「山科」と云う東山
   を東に越えた京都のはずれ(山科盆地)の山寺風情の強い寺院です。
  天皇等皇族、摂家の子弟が特定の寺院に出家するようになり、格式からその
   寺院を門跡と呼ぶようになりました。
   山科は大石内蔵助が討ち入りを果たす前の隠遁の地で有名。
  自然と裏山が借景になっているが、寺院全体を眺めると、大きく、広く、尊厳
   を感じます。
  「京都に行こう」のポスター写真は石段を登っての「勅使門」からの絶景

   です。
   我々観光客は本堂の表門にあたる「仁王門」へ階段を登って入ります。
   紅葉には早い時期でしたが、登り口からの眺めは緑の深い、美しい山寺に
   きたのだなというさわやかな気持になります。
  観光コースは入観料を払って「本堂」(本尊の毘沙門像が安置)→「しん殿」
   (天井竜)→(部屋のふすま絵…狩野派の弟子の作で、どの角度から見ても
   観賞者が中心にみえる)→「晩翆園」(回遊式庭園)。
   お寺の方の説明があり、それなりに分かりやすく、楽しく見学できます。
  寺院は度々の京の戦乱で、江戸時代にやっと中心部からこの地に再建されま
   した。従って、国宝の建物、仏像等はなく、そう思ってしまうとふすま絵や

   毘沙門天像、庭園など総じてすごいなとの感じはありませんでした。
  ただ、山腹に佇む景観は見事なものであり一見の価値は十分あります
   勿論、紅葉の木も多く、枝垂れ桜の枝振りも立派で、最盛シーズンを想像する
   と素晴らしい目の保養になると思いました。
 ・ 写真を添付するのが本来でしょうが、寺院の検索をして写画を見ていただく

   ことで、勘弁してください。
〜今年のブログはこれまでです。皆さまには良い年を迎えられるよう祈念しております。〜
   「一 陽 来 福」