・ 首都圏通勤電車ラッシュ時の苦労は、メトロが煩雑に私鉄と乗り入
れて以降、大分緩和された気がします。しかし、とても“座る”方法な
どを考えたことはありませんでした。
・ ところが、「座る技術」なる本が出版されていて、こんなことまで上梓
するのかとビックリしました。ちょっと興味を惹いたので、感想と併せ
て書いてみました。
・ 全体としては我々の想定しうる範囲であり、当り前といってよい場面
やそりゃー無理だろうと思うことは拭えませんが、文書にしたことに敬
意を表します。
・ 実際、長い年月を同じ駅、同じ時間帯で通勤していると、立っていて
あわよくば座るチャンスを窺うというより、乗り換えに便利な車両に乗
ります。車両を変えたりすることは、ほとんどないのです。
・ いつもの車両にあって、文庫本を読みたい時、雨傘を避ける時など
のパターンを決めているのです。たまたま座席の前に立ったときは、
乗降の多い駅で前に座っている人が降りるのを見逃さないようにする
など、それなりに工夫をしていました。
・ 話は変わりますが、私が名古屋に単身赴任している当時、週末に東
京行新幹線を利用していました。サラリーマンなので時間が確定で
きず、自由席になります。
・ そこでの「座る」ことへのアホみたいな技術は、
◆大阪単身者の帰省ラッシュ時刻の新幹線が名古屋着時刻となる
時間帯はできるだけ避けること。
◆1車両の乗降口は2つあり、名古屋降車者はホームの中央階段、
エスカレーターに近い前の乗降口の方に集まりやすいのです。従
って、降車者の少ない後ろの方に並び、早い乗車でもって座るチ
ャンスを拡げていました。(案外、上手くいっていました)
この程度のことは考えて、実行していたのです。
・ さて、この本では始発駅での技術にかなりの紙面を割いていますが、
そこは当てはまらない人が大半と思うのでカットし、座れないことを
前提にポイントを引張って見ました。
(1)立つ技術
・ まずは座れないことを楽しめ。(この時間を利用する心の持ち様)
立ちそうな人の前に立った時は、ややドアに遠い方に立ちスムー
スな逃しと座りを確保せよ。(ドア横スペースは座ること放棄)
降りる客を複数記憶せよ。(同時間、同車両乗降が習慣になって
いるはず)
シートの隅っこの座席は途中駅で降りやすい位置である。
〜・ これらは確かに納得するところではあるが、途中駅降車しそう
な人の前は既に同じ考えの人が立っていて、そうは上手くいか
ないのが通常です。
・ どうせ座れないのですから、ドア横のスペースはもたれ掛れて
少し楽であり、両手が空くので本、雑誌等を読むことが可能です。
立つ人に人気の場所なんです。
(2)降りる客を見極める
・ 眠っている客の姿勢から、下を向いている人は通勤時間長い傾向
にあり、途中下車が少ない。
長距離通勤客は厚めの本を読む傾向。飛ばし読みやページめくり
が早くなっている人は降車に注意。帰りは、本の図書館ラベルを見
分けられたら良。
制服から降りる駅が分かるように。社章からも降車駅を覚える。
〜・ 眠り方は人それぞれであり、熟睡の人でもあわてて降りる場面
に出くわすこともあります。時計をチラチラ、窓の外をキョロキ
ョロ見る人が降車駅近しと思いきや、残念ということも同じです。
・ 今は携帯、スマホ、ゲーム機で時間を過ごしている人が圧倒
的に多いのです。読書は少数派なのです。
・ いずれにしても、座っている人を選んで前に立つことは出来ない
のが実態です。
(3)快適に座る技術
・ 雨の日の傘の扱い(傘袋用意)。弱冷房車がやや空いているの
でチャンス多い。ストレス腸過敏症の人は乗降口近くにいること。
座っても“肩ひじ張らない”物腰を。隣の人が寄りかかりには、肩
を貸してあげる気持を持とう。
〜・ 座れただけで満足して、快適さやマナーにまで気を使うのは
難しく、普段でもそこまで出来ると“いい人だなぁ”と云わざる
を得ません。
・ 女性の寄りかかりはゆっくり眠らせてあげましょう(めったにな
いことです)。男性の場合は我慢しましょう(自分もあるのです)。
・ ストレスでのトイレの駆け込みは、経験上大変です。各駅のトイ
レの位置や混み具合に加えて、駅外のコンビニ、飲食チェーン
店まで調べたことがあります。
(4)座りの暮らし術
・ 座ることの大事さが分かるなら、早起きして座って眠るや、オフピ
ーク通勤利用などそれなりの努力を。
前座席が空いたら、自分が次駅で降りるときでも座る(座ったとい
うことで、気持が楽になる)。
終電近くになると、サバイバルのようになるので朝帰りを(漫画喫
茶がある)。
〜・ 1分でも寝ていたいのが本音であり、しかも相当早起きでない
と座るまでにはならないため、やり方としては分かるが現実大
変難しいと思います。
・ 帰巣本能が働くのか、奥さんに怒られても何とか帰ろうとするが、
時には週末の朝帰りも考えてはどうなのだろう。
(5)譲り合いこそ最大の技術
・ 妊婦さんをいたわれ(働く女性が当り前になり、妊婦バッジが目
立つようになってきた)。
子供とくに、乳幼児をダッコしている人には、席を譲ること。
優先席に座らない(老人、妊婦は譲られる可能性のある優先席に
向う)。座っていたとしても、思い切って譲る行為は立派な厚意。
〜・ 既に優先席年齢であると自分で決めているので優先席の方に
立つことが多いが、譲られたことはありません。現実は厳し
いものです。
・ 自分が座っていて、必ず席を譲る人は次の人達と決めてい
ます。
◆妊婦さん(バッジの有無に注意している。ペッタンコの靴も)。
◆乳幼児を抱いている人(子供が寝ていることが多く、その大
変さは経験からよく分かる)。
・ 要は、“困った人”にならないように気をつけることしかないと
思います。なかなか他の人に強制するものではないが、気配
りをしての“一日一善”は本当に気持のよいものですよ。