「聞く力」2

〜 前回の続きです 〜
 人は誰でも他人、友人から好かれたい、信頼されるような人物にな
    りたいと思っています。
  このような良好な関係作りでよく云われることは、
  相手が何を考えているのか、思っているのかを気にする姿勢が必要
  相手の痛みも自分の中で消化できる感性の豊かさが必要
 実際は、こんな立派なことを踏まえて上手にコミュニケーションをとるこ
  とはなかなかないものです。自分の見ているものは、他人も同じ様に見
  えるとは限らないのですが、そうした言動を取らないことのほうが多いと
  思います。
 だから、会話の中から経験を重ねて、「聞く力」を付けてしっかりとした
  コミュニケーションとなっていくことが大事なのです。
  “職場でストレスを感じる原因”の調査のトップは「人間関係」だそう
  です。益々「聞くこと」の方に力を入れてみてはと思います。
(2)聞く醍醐味
 1.会話は生きもの
   “トークは生きものですから”と話を逸らしたり、自分が思っている
    のと違う別の話題になることは多々あり、会話が思い通りにいくこと
    はマレと考えることです。
   その場での語り手に対し聞き手が空気を読み、思いもよらない方向
    にいってもよいのだと思うことです。
   話が拡がって案外面白い、得ることの多い会話につながったりしま
    す。ガチガチの会話など面白くないでしょう。
 2.ウォーミングアップ
   今日はあの人とどういうテーマを中心に話をしよう、聞こうと考える
    のが普通です。そうすると、近況の仕事や健康など周辺のところも
    聞いておきたいと思います。
   この場合、流れを想定してのウォーミングアップ会話があると、相手
    もその流れに合うような話をしてくれるものです。“まとまり”がよくな
    ってくるということです。
   聞き上手は語り手の手助けをしていることが大事であって、話をし
    ているうちでの気付きや頭の中の整理がされての展開は、“あの人
    と一緒に話をしてよかった”となるのです。
   勿論、その場の雰囲気などに左右されますが、聞き上手は話し手の
    いろんな思い出までも引き出します。
 3.脱線したら
   なにげない話ならどんなに脱線しても、辻褄が合わなくてもかまわな
    いと思います。しかし、仕事の上などでは、そうはいかないこともあり
    ます。
   そうは云っても、筆者は話を戻す上手い方法はないと云っています。
    経験から、次のことを実行しているそうです。
   それは、よく耳を傾けて、じっくり聞いて、そこにとことん自分を置い
    てみることです。そうしていると、聞きたかったテーマに関連する
    葉、話を探してみると、大体あるそうです。
   そこにコロンと大切な言葉が転がっていて、そこからの会話が双方
    の信頼関係を構築するきっかけになることもあるのです。
   相手が複数の場合でも、相手に敬意を払い意見に同調しながら、“お
    っしゃる通りではありますが”の意を差し挟み、別の人に話をもって
    いったりして呼吸をつかんでいくと云っています。
 4.ウケる
   難しそうな顔をして聞いていると、話し手は次第に乗り気が削がれる
    雰囲気になると思います。上の者が話す時は、そうなりがちです。
   しかし、対話が進んでどこかで笑いが生じると、一気に話す方も嬉し
    くなること間違いなしです。
   すなわち、表情や態度で興味を示して聞いているよをちょこっと伝え
    るだけで、人は話をしやしくなると思います。
 5.素朴な質問を大切に
   聞いていて笑ったり、合いの手を入れたりすることは大切ですが、
    聞き手の反応で大事なことは質問をすることだと思います。
   その時に、“今更、聞けない”“まさか”の基本的なあるいは素朴
    質問は、思わぬ反応を呼ぶことがあります。言葉として皆が知って
    いるが、実はその内実などあまり分かっていないことが多くあるの
    です。
   上司、先輩の得意分野の専門的な質問を投げかけると、どんどん
    話が展開してためになると同時に、相手の気分をよくすることがよく
    あります。
 6.聞きにくい話
   聞きにくい話をどうしても聞く必要がある時、“さぞ不愉快かもしれ
    ませんが”“あの〜、変なうわさが出ていて”などいろいろ前置きを付
    けます。
   そこで、あまり怒られるかなの先入観に捉われないことです。何と
    か話をしているうちに気さくなところを発見したりして、“よく云って
    くれた”“決めつけることはない”となる場合もあるのです。
   それが3割あったら儲けものと思っていいそうです。“意外”と思うこ
    とが出てきたら、インタビューは概ね成功と云っています。人は分か
    らないものだと実感するのが、こういう時なのでしょう。
 「聞き上手」は「話上手」はその通りだと思います。言葉は多種多様な
  人間関係のの中で生きている以上、「聞き上手」の方が言葉は刃物に
  ならない気がします。
 そこに、「サービス精神」があってこそ、今より魅力的に自分をみせる
  ことになり、その第一歩は“笑顔”だと云われています。
 そのうえで、肯定的な言葉を使って、相手を認め、相手の立場を考えて
  いくことが聞く上で大切なのです。
 “ほんの少しだけなら、人間は変わることができる”と云っている識
  者がいます。それは、会話で聞き上手の人にシックリ当てはまる言葉
  だと思います。
〜 続きは、次回に 〜