〜 前回の続きです 〜
・ 人は誰でも他人、友人から好かれたい、信頼されるような人物にな
りたいと思っています。
このような良好な関係作りでよく云われることは、
◆相手が何を考えているのか、思っているのかを気にする姿勢が必要
◆相手の痛みも自分の中で消化できる感性の豊かさが必要
・ 実際は、こんな立派なことを踏まえて上手にコミュニケーションをとるこ
とはなかなかないものです。自分の見ているものは、他人も同じ様に見
えるとは限らないのですが、そうした言動を取らないことのほうが多いと
思います。
・ だから、会話の中から経験を重ねて、「聞く力」を付けてしっかりとした
コミュニケーションとなっていくことが大事なのです。
“職場でストレスを感じる原因”の調査のトップは「人間関係」だそう
です。益々「聞くこと」の方に力を入れてみてはと思います。
(2)聞く醍醐味
1.会話は生きもの
・ “トークは生きものですから”と話を逸らしたり、自分が思っている
のと違う別の話題になることは多々あり、会話が思い通りにいくこと
はマレと考えることです。
・ その場での語り手に対し聞き手が空気を読み、思いもよらない方向
にいってもよいのだと思うことです。
・ 話が拡がって案外面白い、得ることの多い会話につながったりしま
す。ガチガチの会話など面白くないでしょう。
2.ウォーミングアップ
・ 今日はあの人とどういうテーマを中心に話をしよう、聞こうと考える
のが普通です。そうすると、近況の仕事や健康など周辺のところも
聞いておきたいと思います。
・ この場合、流れを想定してのウォーミングアップ会話があると、相手
もその流れに合うような話をしてくれるものです。“まとまり”がよくな
ってくるということです。
・ 聞き上手は語り手の手助けをしていることが大事であって、話をし
ているうちでの気付きや頭の中の整理がされての展開は、“あの人
と一緒に話をしてよかった”となるのです。
・ 勿論、その場の雰囲気などに左右されますが、聞き上手は話し手の
いろんな思い出までも引き出します。
3.脱線したら
・ なにげない話ならどんなに脱線しても、辻褄が合わなくてもかまわな
いと思います。しかし、仕事の上などでは、そうはいかないこともあり
ます。
・ そうは云っても、筆者は話を戻す上手い方法はないと云っています。
経験から、次のことを実行しているそうです。
・ それは、よく耳を傾けて、じっくり聞いて、そこにとことん自分を置い
てみることです。そうしていると、聞きたかったテーマに関連する言
葉、話を探してみると、大体あるそうです。
・ そこにコロンと大切な言葉が転がっていて、そこからの会話が双方
の信頼関係を構築するきっかけになることもあるのです。
・ 相手が複数の場合でも、相手に敬意を払い意見に同調しながら、“お
っしゃる通りではありますが”の意を差し挟み、別の人に話をもって
いったりして呼吸をつかんでいくと云っています。
4.ウケる
・ 難しそうな顔をして聞いていると、話し手は次第に乗り気が削がれる
雰囲気になると思います。上の者が話す時は、そうなりがちです。
・ しかし、対話が進んでどこかで笑いが生じると、一気に話す方も嬉し
くなること間違いなしです。
・ すなわち、表情や態度で興味を示して聞いているよをちょこっと伝え
るだけで、人は話をしやしくなると思います。
5.素朴な質問を大切に
・ 聞いていて笑ったり、合いの手を入れたりすることは大切ですが、
聞き手の反応で大事なことは質問をすることだと思います。
・ その時に、“今更、聞けない”“まさか”の基本的なあるいは素朴な
質問は、思わぬ反応を呼ぶことがあります。言葉として皆が知って
いるが、実はその内実などあまり分かっていないことが多くあるの
です。
・ 上司、先輩の得意分野の専門的な質問を投げかけると、どんどん
話が展開してためになると同時に、相手の気分をよくすることがよく
あります。
6.聞きにくい話
・ 聞きにくい話をどうしても聞く必要がある時、“さぞ不愉快かもしれ
ませんが”“あの〜、変なうわさが出ていて”などいろいろ前置きを付
けます。
・ そこで、あまり怒られるかなの先入観に捉われないことです。何と
か話をしているうちに気さくなところを発見したりして、“よく云って
くれた”“決めつけることはない”となる場合もあるのです。
・ それが3割あったら儲けものと思っていいそうです。“意外”と思うこ
とが出てきたら、インタビューは概ね成功と云っています。人は分か
らないものだと実感するのが、こういう時なのでしょう。
・ 「聞き上手」は「話上手」はその通りだと思います。言葉は多種多様な
人間関係のの中で生きている以上、「聞き上手」の方が言葉は刃物に
ならない気がします。
・ そこに、「サービス精神」があってこそ、今より魅力的に自分をみせる
ことになり、その第一歩は“笑顔”だと云われています。
・ そのうえで、肯定的な言葉を使って、相手を認め、相手の立場を考えて
いくことが聞く上で大切なのです。
・ “ほんの少しだけなら、人間は変わることができる”と云っている識
者がいます。それは、会話で聞き上手の人にシックリ当てはまる言葉
だと思います。
〜 続きは、次回に 〜