決定すること

 仕事の中で物事を決定していくと云っても、日常業務そのものでの決定か
  ら、経営者が決断していくものまで軽重は様々です。
 問題解決のコンサルタント「決定」について、コラムにそのコツを書い
  ていました。ちょっと興味を引かれたので、周辺を含めてまとめてみました。
 仕事の上で何かを決定していく場面は、日常そんなにあるわけではあり
  ません。慣行的な作業の連続であり、その中に少し別のやり方が加わった
  としても、次の仕事のステップを左右するほどのことはありません。
 AかBのどちらかを選べと云われた場合、優劣が明確にあることは少なく、
  選ばなければ前に進めないため何とか理由を付けて決める程度が普通
  です。多くの情報と勇気がいる「決断」とは違うようです。
 いわゆる“辛い”思いをしての決定は、トップマネジメントに当てはまる
  のかもしれません。
  “お前に任せるよ!”はいろいろ分析検討しなければならない問題であっ
  ても、何のことはない一人で全てを処理するのではなく、上司、先輩、
  同僚に相談、支援を受けての途があり、実際そうなります。
 そうは云っても、仕事の効率化、改善を普段から追求しなければならない
  時代です。
  自らと周囲の仕事が解ってくると、そこから“これは変だな”“自分ならこん
  な方法は取らないのに”など仕事を良くする種は出てくるものです。そこ
  に、決定の場面が生じるのです。
 また、上位職になってくると、遂行能力をみられるようなあるいは、今後の
  信用度を左右するような決定を迫られることがあるかもしれません。
 そんな時、アタフタするのは仕方ないとしても、少しは「決定」への心掛け
  を経験則に加えておいた方が良さそうです。
(1)決定へのヒント
 1. 先送り
   予算がないから決定できない先送りは、時間的余裕となって次善の策
    等の検討は可能かもしれません。ただ、を立てるとには泣いてもら
    わなければならないケースは、大変辛い決定となります。
   そこに、という先延しがあれば、“時間が解決することもある”と何か
    分からないことを云って、このCになっていることが多いのが実態なの
    かもしれません。
 2. 3つのヒント
   さて、このようにゴタゴタしている時、1人で考え悩むより、上司等の支
    援を得て数人で検討するのでしょうが、そこで考えなければならない
    ことは、
    「誰のために?」
    「何のために?」 の次元です。
   この質問方式は、どうすればよいだろうかと手段を決めかねている時、
    効果的、役立つと云っています。我々は手段のところで、どう決定しよ
    うかと悩んでいることが多いのです。
   そこで、一度「目的」を明確にしていくことで、その手段を助ける、方向
    性を見出す可能性がでてきます。すなわち、いろんな方向から課題を
    見ていくと、違ったカタチが見えたりして客観性が高まるのです。
   これを踏まえて、
    「どうやって?」の事由が加わると、前進していくのです。
   やり方として、問題を細かく分解し、それを「誰のために」「何のために」
    かを調べ、考えていた手段が本当に適切なのかを検証していくのです。
   実際のコンサルで、パズルを解くようにして手段を間違えずに実現した
    ことが少なからずあると云っています。
(2)正しいことを行なう
  Doing The Things Right or Doing

   The Right Things
   という比較の言葉があります。これは、
   「正しく行なう」 < 「正しいことを行なう」  なのです。
  「正しく行なう」手段として達成しただけなのです。本来は、手段に
   よって実現される目的が達成されなければならないのです。
   ルール(=処理)さえ守ればよいということではないのです。
  「正しいことを行なう」、これこそ価値ある決定なのです。
   “本当は何がしたかったのだ”の繰り返しが、決定に大事だと云ってい
   ます。
  トップが革新的な提案をした時、多数の賛同を得るより少数しか賛同し
   てくれない方が「GO」サインであると、まことしやかな「決断」の話を仄
   聞します。
  結果論かもしれませんが、それは「正しく決定」したのではなく、「正しい
   決定」をして成功したのだと云えるのかもしれません。
  事業戦略ポートフォリオからの「選択と集中」は厳しい経営環境にあっ
   て、社内外に犠牲を伴います。従って、その決断には「正しことを行なう」
   考えが底辺になくてはなりません。
(3)タイミング
  もう1つ、決定における必須条件「タイミング」です。NO.GO.
   を決定するタイミングです。
  決断すべき内容の適切さはそれほど大きな問題ではなく、誰もが考え
   るだろうの範疇が多いと思います。問題はタイミングが成否を左右する
   ことになるのです。だからこそ、成り行きで決めてはダメなのです。
  孫子の言葉に「巧遅は拙速に如かず」とあります。どんな素晴らしい
   パーティケーキを作っても、パーティに間に合わなければ全く意味があ
   りません。
  タイミングを分析した人が、情報量>不安要素となった瞬間がそれで
   あると云っています。定性的な面は拭えませんが、バクチではないの
   で、情報量<不安要素の場合の決定はタイミングとは云えないと。
  そして、「理性」「知性」「感性」の3つの性を普段の仕事の進め方の
   中でバランスを以って鍛えておくことが大事であると云っています。
  このバランスが崩れての決定は、「やめた!」とか「やっちゃえ!」にな
   りがちなのです。
  大きな問題、案件には、これに「勇気」が入ってくるのでしょう。