考える、話す

 前々回は、話し方技法として「ロジックツリー」による考え方の易しいパターン
  の記事を紹介しました。前回はその続きのような「相手を知る」基本を取上げ
  ました。
 双方を通じてのメインテーマは、「伝える」ことの大事さを表しているのです。
  しかも、マネジメントスキルの中でも、社員共通のスキルだと思います。
 だけども、“なるほど”とは思っても、どれだけの人がこれをビジネスシーンで実
  行、実践していけるかの疑問は残ります。
 基本スキルの考え方や手法を学んだが、簡単に出来る「仕事のしかけ」として
  “ちょっと”と思うかもしれません。
 要は、そんなものがあれば誰も苦労はしないわけで、やはり基本的なスキルと
  しかけは具体的にどうするかは載っていなくても、易しく解説しているコラム、

  本は求められており、読む価値は十分あるでしょう。
 まさに、それを自分の中で納得し、「実行」→「継続」→「少しでも成長でき

  る」が生まれると大変よいのですが。
 またまたですが、話し方、考え方などについての「シンプルなしかけ」本があり
  ました。あまり変わらない、重複する面はありますが、整理してみました。
  (5つの基本の力として、「聴く」「考える」「話す」「書く」「時間」を記

  していました。
  そのうち、「伝える」テーマの続きとしての表題2つを取り上げました。)
1.考える
  問題や原因を探り、整理する方法として、ロジックツリーに似たものにKJ法

   やフィシュボーン図などが知られています。これはこれで「考える」面から

   知っておくことも必要です。
  しかし、普通「考える」ことは、好きな部類に入りません。やっぱり、実行

   段階が素早くみえる、あるいは実際の仕事現場でちょっと使えるポイント、

   手順等が欲しいものです。
  ただし、物事に対する熱意のようなものが前提にないと、「考える」そのもの

   が成立しません。(仕方なく考えざるを得ないを含んでよいでしょう。)
  こうすれば良くなるのにを頭で描いてみるだけでも、スタートとしては十分で

   す。何のことはない、「考える」ということは「自分」でしか出来ないので

   す。

   他人がやってくれないのなら、少しは苦労が伴うが自分又は協力して考え、

   解決に向っていくしかないのです。
 ◆手で書いてみる
   小さな子供と接していて単なる“ダメだ!”では納得しません。怒られたで

    終わってしまいがちです。何故そうなるかを分りやすく話をすると、案外

    “うん、そうだね!”と素直に聞いてくれたりします。
   何か自分のこととして置換えて考えると、分りやすいのでしょう。
    仕事の場合、日常考えていることを手で書いてみると、目の前が明るく開
    けてきます。
   すなわち、感じたことを「なぜならば」「〇〇だから」で表すのです。

    「〇〇だから」が増えていくと、「考える力」がついたと思ってよいの

    です。

    単純なロジカルシンキングだと思います。

    (トヨタの有名な“何故”“何故”“何故”…です。)
   もう1つのやり方は、メリット、デメリットを列記すると分りやすくなり

    ます。
 ◆聞いてみる
   書くよりもっと楽に対処できるのが、同僚、先輩等に相談して云われたこと

    をまとめていくやり方です。ただ、これは独自に一歩踏み出していく進歩に

    疑問が残ります。
   そこでの一工夫は自分なりの思いを持っての意見交換パターンにしていく
    ことであり、適切でしょう。
   人に意見を聞くには、「どうしたらよいでしょう。」から次第に「筋道を

    立てて」の話へと向上していくようにならなくてはなりません。
    そこに、書いたもので説明すれば、“あいつもいろいろ考えてやっているんだ
    な”になるのです。
2.話し方
  コミュニケ、伝達の大切な3つの要素は、「話の内容」「話し方」「ボディ

   ランゲージ(表情、声の抑揚、スピード、ジェスチャー等)と云われてい

   ます。
   その3つの相手に伝わる重要度分析に「メラビアンの法則」があります。
  それは、会話における言語的な「話の内容」は7%、「話し方」38%

   「ボディランゲージ」55%です。
   我々はついコンテンツを意識しますが、ジェスチャー混じりの欧米人の会話
   風景をみると、コミュニケが上手と思いますね。
  そうはいっても、ビジネスにおいてそればかりを強調する前に、やはり中味を
   踏まえての話し方の重要性は決して低いものではありません。
  売込みのプレゼンがあり、受け手の自分の上司が質疑応答に加わらず、実務
   担当者の話し方から仕事への姿勢、誠実性をみて、間違いのない案件と決
   定したスゴさを体験したコラムがありました。
  説得力を増す底辺にあるのは、まさに取り組みへのそれであり、加えて話し方
   によってその内容を記憶に残させるのだと思いました。
 ◆笑顔で相手をみる
   朝、「おはようございます」と云いながら、自分も気持よくニコッとすると

    悪い印象は与えません。
    ボディランゲージの1つのポイントです。目は口ほどにものを云う通り、

    目線も大事です。
   他に、身振り手振り、スキンシップ等全体を使っての会話は、打ち解け易い
    と云います。
    ただ、ムリをすることはありません。表情、動きなどは自分がやれそうだと

    思うものを重ねていくことで、効果が上がると思います。
 ◆「一言」で語る
   事実をしっかりと具体的に語るのは、意外と難しいものです。
    「売上アップは間違いないです。」と「売上は前年同比120%は確実にいけ

    ます。」との一言の差は、十分ありそうです。
   「一言」で結論を云う、「一言」にまとめるクセをつけるのが一番です。

    上司が強く云うと押し付けになりますが。
   そうすると、いやでもその後に「なぜならば」が必要となり、そこには数字

    や具体性のある話をするようになります。それが「話す力」をアップさせる

    のです。